セイダカアワダチソウ

一昔前、セイタカアワダチソウが花粉症の原因と言われ一騒動あった。 一部マスコミが取り上げ、机上の学者が認めた為、皆が信じ込んでしまったが、フィールド学者が杉の様な風媒花では無く、虫媒花である事を指摘し、騒ぎは収まった。
写真の様に昆虫が集まり、この花を養蜂業者が全国に広めたと言う説まである程で、虫媒花である事はすぐ分かる。 ただ、いったん風評が広まるとこれを払拭する事はなかなか難しいようで、筆者が写真を撮っている時も花粉症は大丈夫ですかと聞かれた様に、今でも信じている人は多い。
もっとも、虫媒花であろうが、風でも運ばれるので花粉症の原因になるとする学者もいるので、はっきりした事は不明であるが、スギやブタクサやカモガヤ等の風媒花植物に比べれば影響は少ないと思われる。
北アメリカ原産のキク科の帰化植物で、背が高く、2〜3メートルにもなり、アワダチソウ(アキノキリンソウ)に似て背が高いのでセイタカアワダチソウ(背高泡立草)の名があり、又、セイタカアキノキリンソウとも呼ばれる。( 「アキノキリンソウは泡立草」 の項参照)
地下茎に他の植物の生育を阻害する物質があり、他の植物を駆逐しながらはびこっていく。
二次大戦後急激に増え、一時は日本全土を席巻する勢いで繁殖したが、逆に、増えすぎて、自分の体内の物質で自家中毒を起こし、一時の勢いは無い。
秋の終わりの花の少ない季節には、虫にとって蜜の宝庫であり、いろいろな虫が集まる。


セイタカアワダチソウはキク科アキノキリンソウ属の花で、少し山地の林間に行けば、同じ時期にアキノキリンソウの花も見られるが、現代では本家よりもセイタカアワダチソウの方が知られている。
鬱蒼と茂り、花粉症の風評も癒えず、悪役のイメージが強いが昆虫達にとっては強い味方である。

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