オオアレチノギクとその仲間

オオアレチノギク

オオアレチノギクは晩夏から秋にかけての野原で目立つ花である。 大きいものは1.5m〜2mに達し、ヒメムカシヨモギやアレチノギク、あるいはホウキギク等と併せて野原を占拠するが、いずれも外来種である。
オオアレチノギク(大荒地野菊)と言うように荒地に咲くキク科の花であるが、下の写真に見る様に花には舌状花の花びらは見られず、そのまま綿毛(ワタゲ)になっていく。

オオアレチノギクの花      オオアレチノギクの綿毛

同じ頃、よく似た花姿のヒメムカシヨモギやアレチノギクが咲き、そっくりで区別が難しい。
いずれも北アメリカ原産の帰化植物であるが、最初に帰化したのはヒメムカシヨモギで明治時代初期に帰化し、鉄道と共に広がったので、鉄道草とか維新草とも呼ばれる。
その後、明治時代中頃にアレチノギクが帰化し、オオアレチノギクは大正から昭和時代にかけて帰化したと考えられている。
オオアレチノギクが帰化した当初、有名な植物学者である牧野博士がアレチノギクとムカシヨモギの国内での種内雑種と間違えて発表した程よく似ていた。
これらの区別は素人目には難しいが、ヒメムカシヨモギだけは写真下のように、小さな舌下状の花びらを付けるので、よくよく目を近づければ分かる。

ヒメムカシヨモギ

アレチノギクはオオアレチノギクと同様に花びらは付けず、丈が50cm程度で止まり、花も5−6月頃からと早いが、一見では区別できない。
又、ヒメムカシヨモギの花の花びらを少し大きくしたような花を付け、やはり北アメリカ原産の一年草で明治末期に大阪で発見され、各地で雑草化したのがホウキギクである。 秋の荒地に咲く大柄なキク科の花の中ではもっとも花らしい花で、枝分かれする姿を箒(ほうき)に見立ててホウキギクと名付けられた花である。

ホウキギク

オオアレチノギクはヒメムカシヨモギ、アレチノギクやホウキギクに比べれば新入りであるが、今では最も繁茂している花である。

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