キンランとギンラン

 キンラン                      ギンラン

キンラン、ギンランは日本の野生蘭のひとつで、同じキンラン属に属し、かっては雑木林の林下や、里山の林下の何処にでも見られた花であったが、今や絶滅を危惧される花になってしまった。
雑木林の下草刈りをしなくなって、生育環境が悪化したり、採取されてしまう為である。
それでもまだ、この地方では散歩道の途中の林下に細々と咲いており、今年は写真も撮れたが、来年も見れるかどうか危惧している。
この花は 「菌根菌」 と呼ばれる菌類と共生する特殊な生育形態にあり、特に菌に対する依存度が強く、この 「外生菌根菌」 は林下等の特殊な土壌にのみ生息し、この花を採取して移植しても家庭で育てる事は不可能であるが、この時期に咲く同じ地生蘭のひとつであるエビネ類と混同されて採取されるようである。
エビネは地下茎の形を海老(エビ)に見立てて名付けられた日本の野生蘭のひとつで、比較的栽培がしやすく、人工交配によって園芸品種も多いが、やはり野生のものは採取によって激減している。

エビネ類

キンラン(金蘭)は金色に輝く花の意味でキンランと名付けられ、ギンランは花が白色で、キンランに対してギンラン(銀蘭)となづけられた。
キンランは黄色で良く目立ち、花の唇弁に赤い筋が入り、豪勢に咲くが、ギンランは地味で、花もほとんど開かない。 葉が笹の形をしたササバギンランも同じ仲間で、ギンランより少し大きい。
中国、朝鮮半島にも自生し、日本の各地で見られるが、この地方ではキンランのほうがギンランより見つけやすい。

散歩道に咲く野生のキンラン

キンラン、ギンランは国や埼玉県の絶滅危惧種に登録されており、来年も見れるかどうかと心配しながら散歩をするのも情けない話である。

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