近年、ヒナゲシの一種であるナガミヒナゲシの帰化種が散歩道のあちこちに目立つようになってきた。
可愛いので栽培種と思ったりするが、1960年ごろ見つかったヨ−ロッパ原産の帰化種で、瞬く間に全国に広がり道端のいたるところに咲いている。
ケシと聞くと、まだ熟していない果実の乳液からアヘンやモルヒネを精製する栽培禁止になっているケシを思い出し、何となく毒々しい花を想像しがちであるが、ナガミヒナゲシは可愛い花で、名前も長実雛罌粟(ヒナゲシ)と書いて実(み)が長い可愛いケシと名付けられた花である。
ケシ科ケシ属には50種ほどの花があり、栽培禁止品種を除き日本で普通に栽培されたり野生化している花は、大きく分けてヒナゲシ(シャーレーポピー)、オニゲシ(オリエンタルポピー)、アイスランドポピーの三種類である。 ヒナゲシにも帰化種のナガミヒナゲシや栽培種のヒナゲシがあり、これらの花からはアヘンやモルヒネは取れない。
これに別属ではあるがハナビシソウ(カルフォルニアポピー)などを加えたケシ亜科の花々を一般にポピーと呼んでいる。
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