タツナミソウ

タツナミソウ

タツナミソウは変わった咲き方をする花である。
花が片側に向いて咲く様子は寄せてくる波を連想させ、それが名前のタツナミソウ(立浪草)の由来となっている。
本州、四国、九州の日本各地、アジアの東部、南部に分布し、山野の林縁や丘陵地の日当たりの良い所に咲く多年草で、写真のように石垣の間に咲いていたりもする。
色は青紫色、淡紅紫色で、かっては根が強壮剤として使用され、中国では喀血や打ち身等にも用いられたようである。
丈夫で、山野草を栽培する人の入門に格好の植物とされ、従って園芸種として庭に植えられてもいる。
この仲間にはコバノタツナミソウ、オカタツナミソウ、ヤマタツナミソウ、シソバタツナミソウ等数種類ある。

コバノタツナミソウ

オカタツナミソウ

コバノタツナミソウ(小葉の立浪草)はタツナミソウの変種で、名の通り葉が小さく、丈も短く、茎や葉に短毛が密集し、ビロードのように見えるのでビロードタツナミソウの別名がある。 白花もある。
オカタツナミソウ(丘立浪草)は山裾で比較的良く目にする花で、花穂が少し短かく、頂上に並んで花を付け、上の方の葉が大きく、葉の裏に腺点がある特徴がある。

タツナミソウの仲間はいずれも打ち寄せる波浪を連想させる咲き方をする花の形の面白いシソ科の花である。

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