家相・風水リフォームQ＆A − 鬼門の秘密、西に黄色で金運の理由、幸せになる間取りやインテリアの秘密を歴史の専門家、村上瑞祥が解き明かします

第9回　師走で走るのは誰？ 干支の世話

今年もあと数日で煤払い （すすはらい） となりました。この慌しい時期、師走とは 「教師も忙しくて走り回る」 と思っている方が多いのですが、元々は 「坊主も走る年の暮れ」 が出典です。師とは僧侶のことで、いつものんびり構えている僧侶でも年の暮れは忙しいと言うことですね。

さて、来年の干支は辛卯 [かのと ・ う] です。この辛卯の風水金運アップ術は元旦に用意していますのでお楽しみに！ 今回は、この干支の薀蓄を少しお話致します。

干支というと大体の方は、子 ・ 丑 ・ 寅 ・ 卯 ・ 辰 ・ 巳 ・ 午 ・ 未 ・ 申 ・ 酉 ・ 戌 ・ 亥 と言う具合に十二支を思い浮かべるかと思います。「本当は猪はブタのことなんだよ」 とか 「ベトナムでは十二支に猫が入るんだって」 という薀蓄もさり乍ら、実は干支は12では無く60あります。

そもそも干支とは、十干 ・ 十二支 [じっかん ・ じゅうにし] を組み合わせて、60年を1単位としたものです。暦は60年で一回りして、また初めに戻ります。つまり還暦は数え年で61歳、一周まわって最初に戻ると言うお祝いなのです。

ではこの12とか60という数字は誰が決めたのでしょうか？ そもそも1年が12ヶ月だったり、一月が30日なのはどうしてなのでしょう。 それはメソポタミア南部に興ったシュメール文明で決められました。地球の公転周期中に月の新月と満月は12回づつ観測されます。また月の公転周期中の満ち欠けは29.53日で一巡します。簡単に言えば1年に満月が12回見えます、月の満ち欠けは約30日ですと言うことです。

このことで1年が12ヶ月に決まり、一月は30日となりました。ちなみにこのシュメール文明の発祥は紀元前9000年に遡ると考えられています。どこかのアニメの主題歌に1万年と2千年前からなんて歌詞がありましたが、ほぼそのくらい前から1年は12ヶ月だったのです。

村上 瑞祥

掲載日：2010年12月6日