近ごろのミクと私

2014.09.08

ミクが特別支援学校高等部に入ってもう1学期が過ぎました。2学期が始まって早々にのりこから電話が入り、仕事が入っているのでミクの下校のスクールバスの迎え(まだ学期早々で午前に下校)に行って欲しいと言うのです。私も常々ミクがどんな感じで登下校しているのかとても関心がありましたので、二つ返事で引き受けました。
  待ち受けていたバスが所定の場所に到着した時、ミクの満面の笑みが目に飛び込んできて、私の若干不安が滞っていた気持ちも一瞬にして吹き飛びました。ミクが新しい環境に順応しているだけでなく、新しい環境の中で楽しく過ごしていることがミクのその表情から手に取るように分かったからです。
その日は、午後ものりこは用事があったので、私は久しぶりに長い時間をミクと二人で過ごす機会に恵まれました。前々から、「ミクもお年頃だから、一人で過ごしたがるようになった」とのりこから聞いていたのですが、その意味が分かりました。食事を済ませると、ミクは別の部屋に移って、お気に入りのコミックス(ルパン三世と名探偵コナンの映画に基づいたもの。以前はもっぱらドラゴンボールがお気に入りだったのですが、このアニメ映画を私と見に行った後、すっかりルパン三世にはまっています。ただし、ミクのお気に入りは、ドラゴンボールの時もそうでしたが、いつも主役ではなく脇を固めるキャラなのです)を見ながらミクの想像の世界に入って、まったく飽きないのです。ミクの頭の中を覗いてみたいなと思いました。
私としては気にもなるし、からかいたくなる気持ちも抑えられなくて、何度か声をかけたのですが、瞬間的に私に反応するけれども、次の瞬間にはまた想像の世界に入っていくのでした。結局、のりこが帰宅するまでの3時間近くを自分の世界の中で過ごしているミクでした。もともと口べたで想像力が致命的に不足している私ではミクとの会話もほとんど成立しないのですが、このようなミクを前にしては、そんな必要もさらさらないわけで、私はとりつく島もない有様でした。

私がミクと会うのは、最近は主にミクが見たい映画に私がお供するというパターンが出来上がっています。映画を観てから3人で夕食を楽しむ(3人ともお肉が好きなので焼き肉が多い)というコース(?)です。今年これまでミクと一緒に観た映画をチェックしてみたら、「魔女の宅急便」(実写版.3月2日)、「アナと雪の女王」(3月22日)、「相棒」(4月29日)、「マリフィセント」(7月12日)、「思い出のマーニー」(8月1日)、「るろうに剣心」(8月16日)、「ルパン三世」(実写版、8月30日)とすでに7本あります。間もなく公開の「るろうに剣心(完結編)」も封切りと同時に観に行く約束をしています。
私としては、ミクと一緒でなければ自分一人で映画を観に行くことはめったにないので、貴重な機会でもあります。それにもまして私が楽しむのは見ているミクが示す反応です。しかも見終わってからも、様々な場面における登場人物のせりふの面白さを指摘するのです。私はもともと難聴気味(歳をとってますますその傾向が増している)なのでせりふを聞き取っていないことが多いのですが、ミクは実に明確に記憶していることに驚かされます。

驚くということで思い出したことをつけ加えれば、ミクは人の名前を覚えることが実に早いのです。それは、ミクが実際に接する先生や友だちだけに限らず、映画の登場人物の名前にまで及びます。しかも、のりこがコンを入れてたゆまずミクに教えたこともあって、ミクの漢字理解力はかなりのレベルです。そして自分の知っている漢字が入った人名については漢字表記もしっかり覚えるのです。私は自他共に認める記憶力の悪さなので、ミクのこの方面での記憶力の良さには本当に驚かされることが多いです。

久しぶりに「ミク」欄の更新をする気持ちになったのには、もう一つというかより重要な理由があります。ミクの学校生活もあと2年強で、その後の人生をどう設計するかという問題が差し迫ってきています。のりこはもちろん真剣に考えており、私としても何かできることがあればお手伝いしたいと願っています。これから、そういうことに関してもこの「ミク」欄で考えること、分からないで悩むことを書きたいのです。そして、読んでくださる方々からアドバイスやコメントがいただけたら嬉しいと思っています。
今回は、長い間休んでいた「ミク」欄を再開する第一歩のつもりを込めて書きました。また、これからもよろしくお願いいたします。