ミクとのりこの他者感覚

2011.06.06

 10日から16日頃までイランの国際会議に招かれて行くことになりました。実は広島にいた時にも招待があったのですが、急病でドクターストップがかかってしまい、果たせなかったのです。イランは一度機会があったら是非行きたいと思ってきた国なので、いまや年金生活のみですが、それでもかまわないという駐日イラン大使(広島に彼が訪れたときに2時間ほど半紙込んだことがあります。)の言葉があったので、思い切って行くことにしました。週末を挟んでということになるので、その前にミクと会いたいなと思い、のりこにメールを入れたところ、日曜日ならば、ということで、いつものように焼き肉屋に行きました。
 実は、昨日の土曜日にはミクの中学校で運動会があったのでした。メールを入れた時にのりこが教えてくれたので、ミクに見つからないように見学に出かけました。中学生ともなると、体格的には大人並みの子どもがいっぱいで、確かに小学校との運動会とは違った雰囲気でしたし、ミクもさぞかしたいへんだろうなと思ったりしてしまいました。
 中学生もなると、運動会も子どもたちの自主性を取り入れた運営が行われているということで、ミクは最初の50m徒競走しか出ませんでしたが、一所懸命走っていましたし、ミクの走る姿に参観者の間から励ましの拍手が起こって、私は胸がじーんと来てしまいました。当初は、ミクの出場プログラムが終わったらすぐ帰るつもりでいましたが、次の2,3年生全員の徒競走、2年の全員リレーも、子どもたちが真剣そのもので走っている姿が感動もので、思わず見入ってしまいました。私の中学生の頃もこんなだったっけとほとんどない記憶を呼び起こそうとする自分がいました。
 なぜこんなことを書いたかといいますと、ミクが夕食に外出できる程度の疲れであるならば、お肉が好きなミクの疲労回復には焼き肉は良いのではないかという思いも働いたからです。そんな気持ちはのりこも同じだったようです。案の定、ミクはタンを4枚も食べましたよ。しかも定番のクッパもおかわりするなど、私をすっかり喜ばせてくれました。
 しばらく見ない間に、ミクの表情(というか顔つき)はまたまた少女らしさが増してきていました。いつもは「かわいい」と思うのですが、昨日は、「美しい」と感じました。それにも増して感じ入ったのは、のりこの優しさの中にも原則には厳しいミクへの接し方によって、ミクが豊かに個を育み、他者感覚を我がものにしている姿でした。
 ミクの学校での様子を聞きたがる私に対して、のりこもほとんどクラスには入れないので分からない、と言いながら、障がいのある子どもたちのクラスの一人一人についてはかなりきめ細かくそれぞれの子ども特徴を踏まえているのりこは、他者感覚を学習しながら我がものにしてきた私からすると、正にうらやましいとしかいいようがないのですが、ごく自然に自分のものにしていることが話の端々からうかがえました。ミクも話に入り込んでくるのですが、そんなときのミクの発言に対しても、のりこが時折注意を与えるのですが、その一つ一つに感心するばかり。いやあすばらしい、と本当に嬉しい気持ちになりました。