ミクと映画鑑賞と車いす

2011.05.21

 ミクは、ディズニー作品はなんでも好きですが、「パイレーツ・オブ・カリビア」シリーズには完全にはまっており、第4作を待ち焦がれていました。ただし、ミクの目に負担がかかるといけないので、2D作品を観ることになっています。私もミクと一緒にいるだけで至福の時間を味わうことができますので、お呼びがかかればいそいそと出かけることになります。昨日(20日)は封切りして間もないのですが、早速二人で観に行ってきましたよ(のりこは、この映画は「えぐい」ということでパス、ミクと二人で鑑賞ということになりました。2Dの字幕版ということでミクに大丈夫かなと不安でしたが、要するにアクションまたアクションでストーリーはあってなきがごときもの(まして私のように前作をまったく知らないものにとっては、ストーリーの展開はまったくちんぷんかんぷん)で、ミクは2時間以上の作品でしたのに、最後まで本当に楽しそうに見入っていました。何でこのような作品にミクが夢中になれるんだろう、ということが不思議で、私はそういう視点だけで最後まで見ていた感じでした。最終的には、何が何だか分からないままに終わってしまった、ということなのですが、ミクは興奮の連続でとても楽しそうにしていましたので、私としてもそのことに満足して劇場を出たのでした。

 この日は、のりこがミクのために特注していた補助の車いすがやっと完成(注文してから約1年、作り始めてからも約半年かかったという、100%手作りの作品で、のりこが細かいところまで注文を出して業者さんと相談しながら完成にこぎ着けたというだけあって、とてもすばらしいものにできあがっていましたよ。鉄棒ではなく鉄パイプを使ったために総重量が約20キロに抑えられてとても軽快に運転できますし、いままでレストランでも誰かが膝の上に座らせないとテーブルとの位置取りに無理があったのですが、昨夜いつもの焼き肉屋さんに行ったのですが、ちょうどテーブルの高さにミクの座る位置があって、ミクはなんでも自分でできるようになりました。
この補助用車いすには、ほかにもいろいろとのりこの工夫、気配りが行き届いているのです。至る所がR形状になっていて、ミクにとって危険を感じる箇所がないということがとても大事なポイントですし、おしりの座り具合のところでも、ミクの彎曲気味の体型を整えるような工夫がしてあります。ミクの細々とした備品を入れる小物入れやバッグについても、引っかける箇所がちゃんと用意しておりますし。買い物したものを乗せる収納スペースも確保してあり、よくもここまで気がついたな、と感心させられるばかりでした。しかもカラーもさりげなく凝っていて、病院カラー(?)である真っ白ではなくかすかに(本当にかすかなのですが)ピンクがかったもので、それだけでもずいぶんと印象が変わってきます。また、小さい前輪部分は回転すると発光するようになっていて、夜道ではかなり前方から認識できるようになっていますし、大きな後輪についてはのりおのデザインがしゃれていて、見ていて楽しくなるようなできあがりになっていました。納品された日の初乗りに立ち会えて、私もとても良い気分でしたよ。

 ミクは映画を見てずいぶん興奮したせいか、とても食欲旺盛で、いつもの焼き肉屋さんに行きたいと行ったのですが、すごい健啖ぶりでしたよ。特上タン、ハツそして上カルビをそれぞれ1切れずつぺろりと平らげ、いまやおきまりのクッパもかなり平らげていました。いま、O111騒ぎですが、この店はそういう生の食品も堂々とメニューに載せていて、なんとなく気持ちよかったです。ほかのものをたくさん注文しすぎて、ユッケ、馬刺しなどは注文するに至りませんでしたけれど。

 ミクはもうすっかりひとりの女の子です。今回はつくづくそういう思いを味わいました。自立心がぐんぐん伸びていますし、人への思いやりという点でも、時にのりこがびっくりするような行動を示すとか。時に落ち込むようなこともあるそうですが、すぐに元気を取り戻すすべも身につけるようになったとか。お友達や先生に対する観察眼もしっかりしていて、特にお気に入りの先生やお友達の名前もはっきり言うなど、感心させられることばかりでした。

 これからは、新作映画のたびにミクと出かけるというパターンが増えそうです。6月にはディズニー作品の「カーズ2」、7月にはジブリ作品など、私とミクの交流は映画という接点を通じてのものになるのでしょうか。