子どもの日

2011.05.05

 ゴールデン・ウィークといっても、昨年までのような心弾むような気持ちが起きるわけではありません。毎日が休日になった今、そういう新鮮な気持ちになる刺激がないからでしょう。「子どもの日」といっても特に計画があるわけではなく、今進めている中東情勢の国ごとの整理作業を進めている私でした。そんなところに突然上さんから、「ノンちゃんのところに行って、ミクとご飯食べない?子どもの日だから」と言われ、二つ返事で「行く、行く」と即答した私。
 私たちが訪れたのは午後5時前でしたが、ミクは入浴中でした。中学校に入ってからは、病気で休んだ日を除けばまだ1日も遅刻なしだとか。明日は学校、とのりこが言うと、午後7時過ぎには自分からベッドに向かうんだそうです。毎日6時間というハード・スケジュールで疲れていることもあるのでしょうが、何よりも中学生としての自覚がミクの心構えを変えたことは間違いありません。「ミクにとって、中学校に入ったということ、中学生であるということ、はどういう意味を持っているのだろうか」と興味津々の私ですが、とにかく、小学生までのミクとはまるきり変わったことは、ミクの中で何かとても大きな気持ちの変化が起こったからであるに違いないのです。中学生であるという高揚感、プライドなのでしょうか。
 そういうミクの変化の表れと思われるのが、会話しているときに、自分の理解できない言葉や内容にぶつかったときにミクが示す反応の仕方が、小学生だったときとは明らかに違うということです。以前ならただ受け流すことが多かったのですが、今は言葉の意味を確かめようとし、どういうことが話されているのかを自分なりに分かろうとする姿勢がはっきり出てきています。もっとも、くり返し説明されていると、今度は、なおも分からない自分がもどかしいのか、それとも自尊心が傷つけられたような気持ちになるのか、その会話を打ち切ろうとするのです。そんなミクがかわいいやら、いじらしいやら。
 それと、これは前からそうだったのですが、ミクの中では私たちに関する順位付けが行われていることです。いちばん強いのは上さんで、二番目がのりこ、そして一番弱いのはイエイエである私です。のりこの解説によると、上さんはミクをバシバシしかります。のりこも上さんには一目置いて接していることをミクははっきり分かっているのです。しかものりこはミクの自立心を促す意味から、時に私がハラハラするほどに厳しくミクに接することがあります。ところが私はミクにメロメロですから、ミクの言うがまま。しかるなんてことはあり得ないのですから、ミクからすれば私がいちばん弱いランクとなっているということのようです。中学生になったミクは、この順位にしたがって接し方を変える度合いをますますはっきりさせてきました。イエイエは自分の思いどおりになるとすっかり心得て、居丈高(?)に私に接するミク。でも、決して私をないがしろにするということではありません。イエイエ大好き、であることは変わりないのです(だから私も安心してミクの言いなりになっているのでしょう。)。
 5月3日には、もうひとりの孫(長男の一人っ子)であるハルキが中学生になってはじめて遊びに来ました。私は珍しく神奈川で講演することになっていたので、夕方5時頃に帰宅したのですが、私が私立中学の入学試験合格を祝って贈った任天堂3DSを私に見せようと思って、私の帰りを待っていてくれました。久しぶりに見るハルキハとても背丈が伸び、すっかり少年らしくなっていました。ミクとは同年生まれ(2ヶ月遅れ)なのですが、まったく異なる歩みを示している二人の孫の姿にとても感慨深い思いをかみしめる私でした。