映画「塔の上のラプンツェル」

2011.03.31

 八王子に戻ってから、引越の後片付けと原稿書きとのかの用事に追われていたこともありましたが、基本的にはのりことミクの生活のペースを乱してはいけないという気持ちから、こちらからミクを見に押しかけるということは慎まなければならないという「自制心」が働いて、とにかく辛抱して過ごしてきました。そしたら、一昨日(29日)にのりこからメールが入り、「ラプンツェルは興味ある?」という問い合わせ。一瞬意味が分からなかったのですが、3月12日に封切りになったディズニー作品「塔の上のラプンツェル」のことだと教えられました。「ミクが行くなら一緒に行く」と返事したことはもちろんです。
 のりこは、最近購入したばかりのauのアンドロイドがもう動作しなくなったとプリプリ、映画鑑賞の方はミクを私に預けて、auショップに引き返していました。なんと私は、ミクと二人でラプンツェルを鑑賞することになったのでした。
 作品は、ストーリーの単純明快性とCGの圧倒的細やかさ、もともとは3D作品であり、3Dとしての見せ場をふんだんに盛り込んだ構成、ということで、近来のディズニー作品としてはとても面白いものでした。ミクの目にはよくないということで、わざわざ2D版を見たのですが、3Dで鑑賞したらさぞかし引き込まれるだろうな、と想像力が膨らむ作品でした。ミクも夢中で画面に見入っており、二人ともあっという間の1時間半でした。ただ、結末については画面化されず、ナレーションで明らかにされたこともあって、ミクには納得がいかなくて、映画館を出てから何度も「あれでどうなったの?」としきりに私に尋ねていました。最初は中央の席に座ったのですが、ミクを膝においてもまだ前に遮られる感じだったので、思い切って真ん前の席で見ることにしました。少し見にくかったですが、ミクは気にするそぶりを見せるでもなく見入っていましたっけ。
映画館に入ってすう「一悶着」がありました。ミクは映画を見ながらポプコーンを食べるのが好きなのですが、今回の映画館は八王子場末の小さな映画館ということで、ポプコーンを売っていない場合に備え、のりこはミクに「ポプコーンはダメよ」という言い方で諦めさせていたのです。ところが、売っていたのです。ミクに「ほしい?」と聞くと、「いらない」「ママと約束したからいらない」と頑張るのでした。結局、「イエイエがママに話してあげるから大丈夫だよ」と納得させて買ったし、ミクは映画上映中ひっきりなしに頬張っていました。しかし、映画館を出て待ち合わせていたのりこの車に乗り込むと、のりこには「イエイエが買ったんだよ」と一生懸命自分のせいではないと力説するのです。のりことの約束を守ることの重要性は良く認識している姿、それなのにいけないイエイエが買ってしまったのだ、ということを懸命にのりこに説明しようとするミクの姿に思わず吹き出してしまいました。
この日は、先日苦心惨憺してDVDに収めたミクの小学校卒業式ももっていきましたので、ミクの卒業祝いの焼き肉を食べた後、もう一度ミクと一緒にDVD鑑賞をしました。
ミクは入学式までの日程がぎっしり詰まっているようです。入学式の暇では会えそうにありません。ただし、映画の予告編で「パイレーツ・オブ・カリビア」をやり、ミクはジャック・パロウに夢中なので、この映画も一緒に行こうね、と約束しました。広島に行くまでは暇さえあればミクをのぞきに行ったものですが、ミクも大きくなり、リハビリその他の訓練が毎日のように予定に入っている今では、二人の生活のペースを崩すことがあってはなりませんので、私としては、お呼びが掛かった時に限って二人のところに行くようにしようと決めています。そうそう、映画を見に行く前に中学校の入学式もありますので、これも絶対に行きますよ。

   毎日毎日東北地方や福島原発のことが胸を離れることはなく、気持ちが晴れない日々が続いています。体の小さいミクの場合、放射線の影響は乳児並みと考えておく覚悟が必要でしょうし、本当に気が抜けません。明け方に目が覚めてからしばらく、そんなことが頭の中を占領して、しばらく目が冴えてしまいました。とにかく最悪の事態だけはなんとしてでも食い止めてほしい、それだけが今の私の切なる願いです。