ミク、ただいま!!

2011.03.22

3月18日に引っ越し作業を終え、そのまま八王子に帰ってきました。東京電力の都合だけで行われている「計画停電」というネーミングの下での無計画停電のおかげで首都圏のJR・私鉄は運行計画に大きな影響を受けています。私たちも、新横浜で降りて横浜線で戻るか、品川で降りて、山手線で新宿経由・中央線で戻るか、それとも東京駅まで行って東京始発の中央線に乗るかで大いに頭を悩まされる仕儀に相成ったのです(次男からは、私たちが首都圏に着くのがラッシュ・アワーの手前なので、早引けする人達で混雑するから、東京駅周辺で一泊して翌日戻る方が安全だ、というアドバイスまで飛び込むということで、ますます緊張感が高まった次第です。)が、新幹線の車掌さんに尋ねたら、横浜線は8割ぐらいが運行しているということでしたし、新横浜駅着が午後4時40分ぐらいだったので、思い切って新横浜下車を決断しました。結果的には成功で、新横浜では結構混んだ車内も、長津田、町田、相模原、橋本という主要駅に停車するたびに乗客が減り、無事に次男が迎えに来てくれる中を片倉駅に着いたのでした。
 すぐにでもミクに会いに行きたかったのですが、やはり引っ越し便が届く19日とその後始末に追われた20日はそれどころではなく、21日になってやっと会いに行くことができました。のりこが卒業式の準備の買い物に次男・彼女と出かけるので、わたしが午後ミクの相手をするということになったからです。ミクの小学校卒業と中学入学のお祝いを何にするかのりことも相談してきたのですが、なかなか決まりませんでした。そういう中、16日に漫画家の中沢啓治さんにお別れの挨拶に伺い、その際に「裸足のゲン」(2卷もの)と「クロがいた夏」という中沢さん原作のDVDをいただいたので、ミクと一緒に見ようと持っていったのですが、ミクが特に「クロがいた夏」に大きな興味を示したので、留守番をしながら一緒に見ることもできました。のりこは強烈な画面が出てくることを心配していましたが、子ども向けアニメということもあってでしょう、それほど強烈な情景は出てこず、ミクは一心不乱に見入っていました。キノコ雲が立ち上る場面では、私に「これ何?」と聞いてきましたが、私にはミクが分かるような説明をすることができなかったのが後悔の種になりました。
 また、私はミクの卒業式と入学式を写真、動画に納めるべく、36倍ズームのコンデジ(ニコン製)を買い求めていたのですが、まずはその予行演習ということで、ミクを被写体にして撮ってみたりもしました。本当に今時のコンデジは性能が良く、動画もフルハイビジョンで実に鮮明に写りました。また、36倍ズームの威力は、広島にいたときに36倍で撮った写真をミクの写真とともにパソコンに移し、パソコン画面で見たときにまざまざと実感することができました。太田川放水路で水浴びしている水鳥の群れを36倍で撮影してみたのですが、一羽一羽の生き生きした動きが撮れていましたし、マンションから撮った放水路河口あたりの風景では、広島西飛行場の滑走路もくっきり写っていましたし、何よりも驚いたのは、放水路にかかっている何本かの橋を歩いている人影までもが見事に捉えられていたことでした。これなら、卒業式、入学式の時にミクが壇上に上がって校長先生と対面する様も後ろの方からでもくっきりと納めることができるでしょう。のりこが、「おそらく私は涙、涙で写真など撮れる自信がないのでパパに頼んでもいい?」と尋ねていましたが、もう絶対に「任せなさい」という感じです。ミクも自分の動画をすごく楽しそうに見入っていましたよ。  とは言え、二人での留守番は、のりこたちの買い物が大幅に長引き、午後7時頃にようやく帰ってくるということになったので、最初のうちこそお絵かき、ドラゴンボールのカードでのお遊び、DVD鑑賞などで過ごせましたが、ミクは最後の1時間ほどはすっかり退屈してしまい、可哀想な思いをさせてしまいました。ミクが可愛いだけで、なんの相手もしてやれない私ではどうもヘルパー役は失格なようです。
 一つだけ救いといえば、ミクが私に何度も、「一緒にご飯食べるの?」とか、「今日は一緒にお風呂はいるの?」とか聞いてくれたことです。遅くなったのでのりこのところですき焼きを食べることになったのですが、ミクはとても喜んでくれました。結局夜9時近くになって引き上げたのですが、これからは時々ミクとこうして時間を過ごすことができるのだと思うと、とても気持ちが明るくなる私です。
 そうそう、東電の無計画停電といえば、アパートの上の方にあるのりこの家では断水にもなってしまう(水をくみ上げるモーターが止まってしまう。)ということで、浴槽に水をためておいて水洗トイレに備えるという影響まで出ていました。それに触発された私が「だから東電はけしからん」というと、のりこは、「そういう私たちが太陽光発電導入などに無頓着で、無造作に電気を使ってきたが今回の原発事故を引き起こすことにつながったことも反省しないとね」という反応を示しました。その反応がしっくり収まらなかった私とのりこがいつものように議論をはじめかけたところ、ミクが「けんかしないの」と行司待ったの一声。ミクにはけんかしているように映ってしまうようです。