ミクの存在でこんなに空気が変わるなんて…

2010.08.08

待ちに待ったミクとのりこの来広。今年が最後の広島での夏休み。のりこによると、最初の年は来ておらず、去年も来ていないとのことで、4回目の広島での夏休みだそうです。今年は八王子まで迎えに行くことができなかったのですが、こういう来方も2回目だとか。記憶力ゼロの私は何も覚えていませんが、のりこは克明に覚えている様子。
 5日は早くから原水禁世界大会の分科会で「助言者」を頼まれていた(こんな経験も初めて)ので、ほぼ1日中非核三原則などの問題で、全国各地から来ている人たちと意見を交わしていました。日本の集会でよくある「会場がシ~ン」ということはまるでなく、とても活発な経験の交流が行われて、私自身大いに勉強した感じを味わうことができました。ミクは、早速「トイ・ストーリー3」を観に行ってきたようです。とても面白かったようで、例によって悪役が好きになるミクは、LOTSO(ロッツォ)という熊がお気に入りになって、その小さな小さなぬいぐるみを買ってもらってご機嫌でした。
 6日は、私にとって最後の広島での8月6日でしたので、毎年「仕事」で出席している平和記念式典出席はごめん被り、のりこと一緒に二つの行事に出かけました。一つは、広島第二県女二年西組の碑前祭。同名の本が関千枝子さんによってちくま文庫から出ていますが、この第6刷りには、私の友人の方のお母様がこのクラスの人間として、この本が縁で関さんと連絡がついたことが記録されているということで、8時15分から碑前祭があるという御案内をいただいたので、のりこと二人で出かけたのでした(この日も例年の如く広島は猛暑で、とてもミクを一緒に連れ出すわけにはいきませんでした)。
 あっけないほどに質素な碑前祭が終わって、今度は前から「一度は出てみたい」と思っていた「相談員の会」が毎年行っている被爆者の方のお話をお聞きする会合に顔を出してみることにしました。私たちが出席したのは、小田松枝さんと仰る間もなく102歳になられる方のお話をお聞きする部屋でした。牛田で被爆された方で、男のお子さんをお亡くしになりましたが、すべてのことを包み込まれてこられたご様子の方で、被爆者のお話を初めて聞くのりこもその方のゆったりとした雰囲気に感嘆していました。私もついつい、被爆前の日常生活がどんなものであったか、昭和天皇の御前放送(小田さんは直接聞かれたそうです)にどんな感慨を持たれたか、などとお聞きしました。
 お昼はのりこがお気に入りのタイ料理。そのあと、今年ののりこへの誕生日祝として考えていたセーラー万年筆の売り場が福屋にあるというので、そこで店員さんの話も聞いた上で1本買い求めました。のりこは万年筆党でよく使っているのですが、セーラー万年筆は呉が発祥の地であるようで、万年筆の筆先研ぎ名人が何人もいるんだそうです。東京でもそういう催しがあるそうなので、のりこの握り方、使い癖を見極めた研ぎをしてもらうことが楽しみなようです。私も、万年筆党ではない(もっぱらボールペン)のですが、せっかくですので、広島にいる間に1本求めたいと考えています。店員さんが来年2月に福屋で修理つきの販売会があると教えてもらったので、今から楽しみです。
 夕方からみんなで再び街に出かけました。灯籠流しを見ておきたいというのりこの発案だったようです。ミクは、午前中のお留守番をしていた時にテレビでやっていたという「ヨーヨー」にすっかり魅了され、早速買ってやりましたが、大気に入りでした。灯籠流しもさることながら、被爆65年の今年の元安川から平和公園に欠けての人出はすごく、私も思わず「ああ、これが最後だな」と胸にチクンと来るものがありました。携帯に何枚もドームと灯籠流しの情景を写真に納めましたよ。
 7日は上さんとのりこが買い物にお出かけ。私はミクとお留守番。のりこがどっさり用意した夏休みの宿題にミクが午前中一杯かかって取り組むのを手伝いました。国語系はほとんど苦にしないのですが、算数は苦手(まだよく意味が分かっていない)らしく、苦戦していました。それでもだだをこねるわけでもなく、辛抱強く取り組んでいるのにひとしきり感心させられました。
 宿題を終え、お昼ご飯を食べてからは、ミクのお楽しみの。最初はディズニー・チャンネルを要求しましたが、面白い番組をやっていなかったので「アリス・イン・ワンダーランド」に切り替え。しかし、何度も見ているので、適当に流してみるという感じで、むしろヨーヨーに夢中。夜寝る頃まで挑戦し続けていて(その飽きない姿勢に私の方が感心しました)、終いにはずいぶんと上手になりました。  に中の炎天下でのお出かけでお疲れの上さんとのりこがうたたねをしているので、ミクは私の膝に座って、私が毎週見ている「美丘」というドラマ(脳が萎縮する難病で死が宣告されている女子大生の短い青春を描いたドラマ。吉高由里子という売り出し中の女優が主演)を一緒に見ていました。美丘と恋人の太一が両方の両親の当初の反対を克服して美丘の最後の時間を一緒に生活して過ごすことが決まるまでを描いているのですが、ミクはすべてが飲み込めている様子で、二人が一緒になることを両親に認められると、「よかったね」と実に嬉しそうな表情をするのでした。算数は苦手でも、人間の感情や思いについては完璧に理解し、感情投入も自然にする12歳の女の子そのもです。
 今日はジブリ作品の「アリエッティ」を観に行くことになっています。その前に地獄(?)の宿題。スパルタ・ママののりこに無邪気に付き合っているミクの弾んだ声が聞こえてきます。