大人びてきた(?)ミク

2010.02.20

いつもは金曜日に音楽療法があるので、八王子駅でのりこと待ち合わせしてからミクを迎えに行くということだと思いこんでいたら、私が上京する日がこれまではたまたま音楽療法の日と重なっていただけのことで、今回は学校からそのまま帰宅するというので、私の方から二人の家に直接向かうということになりました。これまでは暗くなってから訪れていたので建物の外観も分からなかったのですが、今回はじめて日中に訪れたので、意外と(?) きれいで清潔感のある建物であることを確認できたのが第一の収穫でした。これなら二人が落ち着いて住むことができると安心できたのです。
ミクは、私よりおみやげのDVDに関心があったことは明らかで、会うなり挨拶抜きで「DVDは?」と切り出してきて、のりこに叱られていましたが、そんなのりこに「いいじゃん!」と口答えするなど、きかん気のところを披露してくれました。それでも「DVDを見るのは一日に一回だけ」という約束は今や当然のこととして受け止めており、しかも、「宿題をしてからね」と自分で言い出すけなげさも示して、私を感心させてくれました(結局、のりこが譲歩して、宿題は明日ということで、夕食後はDVDを鑑賞できたのですが)。
私はこの数日来例年になく早い段階で花粉症にかかってしまったのですが、のりこも同じで、しかも風邪気味ということで、あまり体調が良くなかったのですが、幸いミクはまだ花粉症に悩まされはいませんでした。私が「夕食は何を食べたい?」とミクに聞くと、「焼き肉!」と即答。のりこの解説によれば、私と一緒の夕食は焼き肉、という感覚がもうミクの中にできあがっているようだとか。行く店も決まっており、ミクが食べるものもタン塩などお決まりができています。そして例によって、のりこと私がまじめな話をし始めると、諍いしていると心配し、止めるように口を挟むところも今やおなじみになりました。
今回の最大の収穫は、春休みにハウステンボスに行ってみたい、ミクに一度飛行機を経験させたい、とのりこが言い出したことでした。今度の春休みの時間は短い(卒業式に在校生としてミクたち5年生が出席する必要があるので、東京を発つ日がそれだけ遅くなる)のですが、「ならば東京から直接長崎に飛行機で飛ぶということも考えられるね」と盛り上がりました。経営不振の続くハウステンボス(HTB)ですが、HIS(旅行会社)が経営立て直しに乗り出すということが最近決まり、そのことがニュースでも大きく取り上げられていたのが、のりこの気持ちを動かしたようです。HTBには前にのりこと二人で行ったことがあるのですが、今度はみんなで行こうということです。楽しい春休みになりそうで、今からワクワクします。もっとも、ミクの反応はイマイチでしたが。
夕食中に次男から連絡のメールが入り、私たちが帰宅するときに合わせて彼女と一緒にやってきました。二人を大好きなミクが大歓迎の気持ちを表したのはもちろんです。しかし、DVDに関心が取られて、一人食い入るように見入っておりました。ジブリ作品の「平成狸ぽんぽこ合戦」というもので、かなり思想性の高い内容で、台詞もむずかしい(特にミクにとっては)のですが、ミクが真剣そのものだったので意外でした。前回プレゼントした初恋を内容とした(とのりこの説明あり)「耳をすませば」が大気に入りで、ミクも年頃だなと感じたので、「狸」では満足しまいと思い、「猫の恩返し」(やはりジブリ作品)もミクにあげたのですが、あまり関心を示さず、こちらが拍子抜け。ミクの気持ちの所在がだんだんつかめなくなってきた私です。それだけミクが心の成長を遂げているのだろうと思いました。
食事をしている中でのミクの何気ない発言の数々にも成長を感じさせ、ハッとすることがたびたびでした。ところが、例によってのりこと私がビールを痛飲しており(私は憩室炎のくり返しの再発を経験して以後、基本的にはアルコールをやめている-以前では考えられないことですが、憩室炎の再発への怖さが私の「アルコール依存症」克服に役立っています-のですが、のりこと一緒の時などには痛飲しても、それだけでは再発しないことも経験則で分かっています)、すっかり「できあがっている」ので、ミクの言った言葉が一つも記憶に残っていないのは本当に悔しいことです。
のりこの話では、中学校も特別支援校ではなく、ミクの気が済むようにやらせてみることを考慮中とか。ただし、他の子に蹴飛ばされないように100キロもある障害者用の椅子を考えているとか。ミクのサイズに合うようなのがあるのかと疑問に思いましたが、さすが北欧先進国のスエーデン製のものは、特注しなくても身体のサイズに合わせて調整できるように作られているのだそうです。
今回も短い時間でしたが、ミクと一緒に過ごす時間が私にとっては何にも増して精神を安定させてくれることを改めて実感しました。HTB行きを何としても実現させるぞ、と決意(?)を新たにしながら広島に戻る私です。