「あさいもとふみ」を私の名前と認識したミク

2009.02.02

今回の上京は、日曜日の午後に箱根湯本に伺ってお話しする用事が入っていたので、金、土とのりこのアパートに連泊しました。上京のたびに毎回かかりつけのお医者さんに体をチェックしていただいており、私にとってはミクと会うことと並んで大事な一月一回の行事です。上京前に胃と大腸の内視鏡検査を受け、とりあえず異常なし、という結果でしたので、先生にも安心していただくことができました。先生の専門中の専門が糖尿病ですので、私も毎回検査を受けることにしています。今のところ、若干高めだが、投薬するまでの必要なしといわれています。私の父が糖尿病でしたし、弟もそうなので、私としても家系的にはかかりやすい方にはいるらしく、今から用心しているところです。閑話休題。
 今回のミクについてまず真っ先に書き留めたいことは、私の名前を「あさいもとふみ」でしょ、といってくれたことです。聞いたとたんは我が耳を疑いました。何で知ってるの?と当然思うではないですか。話を聞いて分かりました。去年10月に障害者の作業所の集まりである「きょうされん」の全国大会が広島でありましたが、開催少し前にNHK広島の取材を受けたことがありました。局側は、ミクのことも知っていて、私とミクということで番組を作ったのです。したがって、私が携帯電話でミクと話している場面や、私がミクの写真を示す場面もあって、ミク自身も興味津々で見たことがありました。局側の親切でその時の7~8分程度の番組をDVDに録画して送ってくれたのですが、最近、のりこがこのDVDをもう一度見ていたときに、ミクも一緒に見ていたのです。その中で「あさいもとふみさん」と紹介する場面があって、ミクはどうもその場面のことを覚えていたということなのです。思わずのりこと私は顔を見合わせてしまいました。私としてみれば、ミクがそこまで私のことに関心を持っていてくれるということですから、すっかり有頂天になってしまいました。
 ミクは、私ののりこの共通の友人である方にとても凝った「しりとり」の絵本を買っていただいたのですが、その絵本が大気に入りで、私の膝の上でじっくりと見ているのです。私がミクにも分かる、興味を持つものについて「これなーに?」と聞くと、しっかりひらがなを追って発音してから、今度は自分の言葉でそのものであることを繰り返しはっきり言うこともできるようになりました。このようなことも、私には確実な発達と実感できるのです。
 また、お風呂にはいるときにミクお気に入りのバブの「ゆず」をお湯に入れたのですが、その包みに書いてある「バブ」「ゆず」もしっかり読めたので、私が嬉しくなってのりこに報告すると、ミクはちゃんと分かっているからだよ、と一蹴されてしまい、私としてはしょんぼり。
 ミクはそのほかにも、何かあるたびに、私に「帰るの?」とか、「もう1回泊まる?」と聞いて、確認するまなざしをするようになりました。少なくとも今のミクにとって私という存在がのりこの次の次ぐらいには安心を感じることができる位置を占めているらしいことが伝わってくるので、爺馬鹿の私にとってはそんなに嬉しいことはありません。私が「今晩も泊めてくれる?」ときくと、とても安心したように「良いよ」と答えるミクが本当にいとおしくてたまらなくなります。
父親がいなくなったことがミクの心にどのような影響を与えているかについては、児童心理学者でも何でもない私にはよく分かりませんが、かかりつけの眼科の先生には、いつも「いいお子さんに育てていますね」とほめられているというのりこの発言がすごく自然にすとーんと胸に落ちる私です。ミクは本当に良い子に育っています。
 土曜日の日中は人と会う約束があって出かけた私ですが、帰りに八王子のデパートの食品売り場でのりこ用の焼酎(2008年秋期全国コンクールで焼酎部門で一等賞を取った「美し里」(うましさと)というのがあったので、それ)を買い求め、また、同じ売り場にミクの大好きなチーズ(24ヶ月熟成)もあったので、それをおみやげにしました。チーズ大好き人間なのりこの影響で、ミクもチーズには目がありません。「美し里」は確かにすばらしい味(あっさりしていてしかもコクがしっかり)で、いつもはお湯わりにする私がストレートで味わっておりました。
 土曜日の夜は、次男の提案で回転寿司。回転寿司とはいえ、ネタの良さが評判で、不景気のこの頃というのにお店は満員。ちょうど本マグロの解体ショーにぶつかり、なにげに頼んだ「赤身」がすばらしい逸品で、次男と大納得。新鮮度のなせる味わいには本当にすばらしいものを感じました。
 その後次男が飼っている子犬の「ルーチェ」と会うために出かけましたが、最初に会ったときは噛まれて怖じ気づいたミクも、今やしゃにむになめるだけになったルーチェに次第に慣れ、帰り際までにはすっかり仲良しになっていました。
 次回の上京は、月曜日に人と会う約束があり、珍しく1週間の間を空けるだけ。1泊ですが、またミクに会えるかと思い、少しも寂しさを味わわないで広島に戻る私です。