松山・道後温泉に1泊

2007.03.26

ミクとのりこがヒロシマにきて早くも5日が過ぎました。本当に楽しい時間は弓を放たれた矢のごとく、飛ぶように過ぎてしまいます。着いた日の夜は、次男が来たときに訪れて味が実証済みのタイ料理を食べに出かけましたが、辛いものはともかく、ミクは大いに食欲を示してくれて、初日乾杯となりました。

来た翌日は、話の調子でお昼少し前に家を出て、しまなみ海道を通って松山・道後温泉に1泊で出かけました。「千と千尋の神隠し」の構想のモデルとなったといわれる建物のいかにも情緒を漂わす雰囲気に、のりこも私も思わず引き込まれました。道後の温泉街も、「これが温泉街」といわんばかりの趣を漂わせており、散策するのも楽しい時間でした。ビール好きな私ののりこが見つけたのが道後麦酒館というイギリス風のパブで、そこで地ビールを味わいました。ミクも飽きることなく、お店の一つ一つをのぞき込んでは、好奇心を十分に発揮していましたっけ。道後温泉のお湯も申し分なく、のりこは2度も入りに行っていました。ただし、ミクのことを考えると、あの有名な建物に繰り出して中を楽しむことは控えざるを得ない現実がありました。建物の中を見学するだけでも、と私が言ったのですが、のりこは、「そうなれば、ミクはきっとお風呂に入りたがることになるから、かえってかわいそうだ」という判断。それは確かにそうだ、と納得しました。

二人が来るまでは、松山まで行ったら、翌日は佐田岬まで足を伸ばしてもう1泊しようかな、と楽しく考えていました(佐田岬は、私が子どもの頃から一度は訪れてみたいと思っていたところです)。しかし、広島から松山までの4時間のドライブ自体、ミクにとっては初めての体験で、そのため興奮したのか、その夜は遅くまで寝付かず、のりこによればほとんど寝ていない状態で朝を迎えたようで、これではこれ以上無理をさせては大変なことになるということになり、道後温泉界隈にある正岡子規記念館などを見学して、お昼を食べた後はそのまま広島に戻ることになりました。楽しいことばかり考えていた愚かな私ですが、確かにミクにはいつ何が起こるか分からない状態は今でも続いており、細心の注意を払ってミクを見守っているのりこに頭が下がる思いがしました。

広島滞在4日目と5日目は、市内繁華街で買い物したりで過ごしました。ミクとのりこが起き出してくるのが10時頃なので、朝とお昼が一緒の食事をすると、どうしても遠出する時間はなくなるということも一因です。私としては、海がとてもきれいだと教えられている似島にでも連れて行ってやりたいと思うのですが、一つは24日が1日中雨だったこともあり、25日の海は濁っていると思われたことも、いくのをためらうことになった一因でした。それに島のペンションが提供している昼の食事がグルメ・ガイドにも載っているという優れものらしいので、それもせっかくだから賞味したく、ということになると、なかなか日にちがあいません。

ミクが楽しみにしている湯来温泉行きも広島滞在の後半にずれ込む感じになりました。私が火曜日から木曜日まで出勤しなければいけない用事があるためです。

とにかく広島滞在中は、のりこが少しでも息抜きできるように、気が休まるように、ミクから解放されるように、と私がミクのお相手をするのですが、わずか5日間でも、のりこの大変さが実感できます。ミクがとても自己主張が強くなり、私がついつい手出しをすると露骨にいやがるようになっています。プライドというか、負けず嫌いというか、自分でもちゃんとできるんだ、という意識が強く出ているということで、ここにも成長の確かな証を見る思いがしています。でも、毎日24時間ミクに接しているのりこの大変さはさぞかし、と思わされてもいます。やはりのりこにも、また、ミク自身にとっても、お互いから離れる(物理的にも)時間がある方がいいんだろうな、と、こんなわずかなミクと一緒に過ごす時間からだけでも感じるのです。

ミクが「お買い物に行くよ」と呼びに来ました。今日はこの辺で。