21世紀の日本と国際社会 浅井基文Webサイト

ミクと娘、広島での一日

2005.08.17

ミクが昨日から微熱。あらかじめ広島の医療関係の方に問い合わせて、「ここがいい」と勧めていただいていた広島市民病院にミクをのりこと連れて行きました。ずいぶん待たされましたが、この初診に際してミクの事情を先生にお話しした結果、万一の時には何時でも受け入れるように手配して貰えたので、のりこも一安心していました。

今朝も体温を測ると37.5度と、微妙なところ。今日は宮島に行ってから、湯来温泉に一泊する予定をしていたのですが、ミクが直射日光に当たることは無理だとのりこが判断したので、宮島行きはミクの明日の様子を見てからということで、今日はとりあえず延期。温泉に直行することになりそうです。のりこは毎日毎日がこの調子なんだろうと思うと、本当に大変だなと実感します。

しかし、暗い話題ばかりではありません。とにかくミクの成長には目を見張るものがあります。まず会話にはほとんど不自由を感じなくなりました。私の話しかける言葉にはミクはすぐさま反応します。時折分からない単語に出くわすと、「何、それ?」と聞き返してきますし、気に入った言葉に出会うと、すぐ自分でも繰り返し言ってみて、覚え込んでいるようです。本当に語彙が豊富になりました。身長が伸びないことは相変わらずですし、抽象的な意味の言葉を理解できないというようなことはありますが、よくここまで来たものだと思います。ミクの特殊性(肉体的障害の範疇と知能的障害の範疇のいずれにも該当しない)に着目して、養護学校ではなくて身障学級に入れることにこだわってきたのりこの考え方は、のりこが常に付き添っていなければならない、という極めてきつい自己制約という前提の上にのみ成り立ってきているのですが、ミクの姿を見る限り、間違っていないんだろうな、と感じるしかありません。

初日、二日目は上さんと一緒に寝ていたミクですが、体調の微妙な変化とともに、元通りのりこと一緒に寝ることになりました。日中も、孫二人が大騒ぎしたりして落ち着ける状況ではなく、のりこの慢性的な寝不足を完全に解消してやれそうにもありません。手帳を見れば、ミクとのりこが八王子に戻る21日までもうあとわずか5日になってしまいました。ミクが元気ならば、私が開拓した素敵な飲み屋さんにのりこを連れて行ってやりたいのですが、この調子ではどうなることやら。「また来年以後の夏休みもあるからね」とのりこに言うと、「うん、まあね」と生煮えの返事を返すのりこです。ミクの健康がいつ何時急変するか分からない、という不安感が顔の表情から読み取れますので、私も言葉を続けられません。

ミクとのりこの屈託のない笑顔が失われていないことが唯一の救いです。