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障害者自立支援法案についての神奈川新聞の社説

2005.05.25

障害者自立支援法案についての神奈川新聞の社説(5月22日付)がとてもいい内容でした。これまでの応能負担から応益負担にするというのがこの法案の最大の眼目です。所得に応じた負担から障害者の負担増を意味する定率の負担に換えるという内容。要するに、形を変えた市場原理の導入なのです。貧しい障害者(豊かな障害者なんているでしょうか!)を切り捨てるものです。当初は反対だった民主党が賛成に回ってしまったために、多数決のごり押しで成立してしまう可能性が極めて大きくなってしまっています。

神奈川新聞の社説は、次のように主張しています。

「深刻な財政難とはいえ、障害者が生きていけないような国であってよいのだろうか。(厚生労働)省の役割は障害者を切り捨てることではなく、障害者が人間らしく生きられる社会をつくるための財源について、国民を説得することではないか。国民は決して負担を拒否するようなことはないだろう。」
私は、小泉政治の反国民性をつくづく実感していますが、この法案は本当にその極めつけだと感じないわけにはいきません。ミクが成長していくとき、こんな法律が目の前に立ちふさがったら、ミクは万事休すです。神奈川新聞社説が指摘するような、障害者に人間としての権利を保障することを当たり前のこととして受け入れるそんな日本であってほしいと、心から願わずにはいられません。