21世紀の日本と国際社会 浅井基文Webサイト

卒園式 -2-

2005.03.18

今日はミクの卒園式でした。私も写真係として園に赴いたのですが、皆さんが晴れがましい服装でいらしゃっていたのに、私だけが不釣り合いなジャンパー姿だったことで、のりこには申し訳ないことをしました。ミクはそんなことにはかまわず、「イエイエ、イエイエ」と抱きついてくれたので内心ホッとしました。

卒園式は、子どもたちには長すぎるものでしたが、滞りなく終わり、午後の先生方のダンスなどの余興も和やかな雰囲気で進められました。カラオケをもっとも苦手とする私にとって、ミクの先生方がピンク・レディの「UFO」や松平健の「マツケン・サンバ」の曲にあわせて踊っておられる姿を見て、まさに驚愕ものでした。身障児の子どもたちを毎日見守っていてくださりながら、卒園式のためにもこういう準備までしてくださることには、正直頭が下がる思いをしました。子どもたちよりも、父母たちに対する心遣いであることは明らかで、教育の世界の片隅に身を置いてきた端くれとしては、心の底からお礼を言いたい気持ちでした。

私は、昼の時間と午後の余興が終わってからの時間を使って、ミクへの卒園のプレゼントとしてDVDを買ったりして時間を過ごしたのですが、二人が意外に早く家に戻ったので、そのまま二人を見に訪れました。のりこの話によると、昨夜もミクは38度の熱を出し、のりこはまんじりともせず夜が明けたようでした。ミクは花粉症に襲われたようで、大過はなかったのですが、私が訪れてからも、盛んに鼻水を出していました。でも、私のプレゼントのDVDを早速見て、ご機嫌でした。

長い前置きになりましたが、園での長い、そして心の安まることのない格闘を終えたのりこは、昨晩ほとんど寝ていなかったせいもあってか、本当に放心状態というところでした。私も園でののりこの格闘の一部をかいま見てきただけに、「心残りは不思議なほどない」というのりこの言葉も素直に受け止められました。私と似てビールの好きなのりこは、私がミクの相手をしている間に数缶のビールを飲んでいましたが、私としては、「今日は何本飲んでも良いよ」と言いたかったし、また、そう言って帰宅したことでした。この3年間、ミクと一緒に頑張ってきたのりこに、「この4月からは小学校でまた戦いが始まるんだ」と心で呼びかける私です。

私がミクと日常的に時間を過ごせるのも今日がとりあえずピリオドとなりました。私の気持ちを知ってか知らずか、私が頬ずりをすることにも、いつもはいやがるのに、今日は積極的に応じてくれたミク。私が「帰るね」というのにも、「カエラナイヨ」と精一杯の抵抗を示して引き留めてくれたミク。ミクとのりこに幸せが訪れてくれるように、とつぶやきながら後ろ髪を引かれる思いで家へと戻った私でした。

これからは、これまでのように日常的にミクとのりこのことを応援できませんが、機会さえあれば、二人の様子を見てやりたいし、元気に生き抜くことを応援し続けてやりたいと思います。