ニュースで09年3月18日のダイヤ改正により、最後のブルートレイン「富士」、「はやぶさ」が廃止されるとの報道が有りました。 鉄道おたく家族としては、この機会を逃す訳には行きません。 ブルートレインに乗るついでに、昨年、さいたま市に出来た「鉄道博物館」に遊びに行く事にしました。 幸いホテルの予約も出来、切符も予約出来準備万端だったものの、直前になって息子が「突発性発疹」に罹ったり、娘が熱を出したりと一時、旅行が危ぶまれたのですが、幸い出発日にはどちらも取りあえず回復し、予定通りに出かける事にしました。
自宅[21:30] - → 岩国駅[21:40]
週末に西日本中心にこの冬一番の寒気がやって来るという天気予報通り、家を出るとしんしんと冷えています。 早めに来たタクシーに乗り込み岩国駅に向かいます。 駅のコンビニで飲み物などを買い込むと、早めに構内に入りました。
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岩国駅の電光掲示板
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岩国駅[22:03] - - 山陽、東海道本線 → 東京駅[9:58]
跨線橋を渡ってホームに降りると雪が舞い始めました。 列車を待っている間にも、段々と強く降り始めます。 座席は1号車でしたので、最も下関寄りになりますが、屋根の無いところになってしまうので、3号車付近で待っていました。 娘は寝台列車に乗れるのと、雪が降り始めた事でテンションが最大限まで上がってしまっています。 そうこうする内に、吹雪の中を「富士/はやぶさ」が入線して来ました。 停車中に最後部のテールマークの写真を撮ろうと思っていましたが、子供達や荷物を積み込むのがやっとでした。
車輌に乗り込むと座席を探しました。ボックスの両側の下段を予約済みです。 思った程には混んで居ませんでしたが、残念ながら上段は既に別の乗客が居られて、寝ているようです。 なるべく騒がないようにしたつもりでしたが、上段の方にはかなりご迷惑をかけてしまったかもしれません。
岩国出発が22時2分ですので、子供達も眠たいはずなのに、特に娘は寝台列車に興奮してしまってなかなか眠りそうも有りません。 それでも三原を過ぎた辺りで、娘を壁側に押し付けて強引に寝かせました。 一方、息子は思いの外スペースを取ってしまい、家内は寝るのが大変だったのではないかと思います。
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入線する「富士/はやぶさ」
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通路
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寝台車の上段
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翌朝は浜松駅に到着した所で目を覚ましました。 丁度、大井川の鉄橋を渡っている所で日出となりました。 また朝方で天気が良かったせいか、富士駅の手前では富士山の綺麗な姿を拝む事が出来ました。 ここまで綺麗な富士山の全容を眺める事が出来たのは久し振りです。
その後は、娘が上段に上がりたがったので、他のお客様が居ないことを確認した上で、梯子を使って登らせたり、息子共々記念撮影をしたりと寝台列車の旅を満喫しながら東京駅到着を待ちました。
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車窓からの日出
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珍しく綺麗に見えた富士山
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岩国駅で最後部のテールマークを撮影出来なかったので、東京駅で下車した所で撮影をしようと考えていましたが、考えが甘かったようで、ホームにはロープが張られていて、撮影は出来そうも有りません。 しかたなくホームに降りて列車をバックに記念撮影をしていると、親切にも「写真を撮りましょうか」と声をかけて下さった人が居たのでお願いし、家族全員を入れた写真を撮る事が出来ました。 その後先頭の機関車の撮影をすべく娘の手を引いて先頭に向かったのものの、時既に遅く機関車は切り離されて居ませんでした。 代わりに12号車「はやぶさ」のテールマークを撮影する事が出来ました。 仕方なく家内達が待っている最後部へ向かって歩いていると、反対側のホームが騒がしくなっています。 どうやら切り離された機関車が回送されてやって来るようで、このタイミングを逃さず機関車先頭のヘッドマークも写真に納める事が出来ました。 それにしてもホームには寝台列車を撮影する為に来た人達が予想以上に多く集まっていました。
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東京駅に到着した列車
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12号車
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回送される機関車
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東京駅[10:22] - - 京浜東北線 → 大宮駅 →
- 埼玉新都市交通ニューシャトル→ 鉄道博物館駅[11:30]
東京駅からは京浜東北線で大宮に向かいました。 土曜日でラッシュアワーから外れているので社内は空いていましたが、やはり各駅停車では時間がかかります。 ケチらないで東北・上越新幹線で大宮まで向かえば良かったとちょっと後悔しました。
大宮駅で大きな荷物を預けようと中央コンコースにあるインフォメーションでコインロッカーの場所を尋ねたのですが、極めて不親切でした。どこへ行きたいのか聞きもせず、「近いのはこっち、あっちにもあるけど遠い」程度の説明しかしてくれず、それではどこにあるのかさっぱり判りません。 改めて聞く気にもならず、ニューシャトルの大宮駅を目指して取りあえず、進む事にしました。 ニューシャトルの改札口は、新幹線の改札口とはちょうど反対側にあり、随分と歩かされましたが懸案のコインロッカーは改札口の前に有りました。 こんなことならインフォメーションで聞かずに真っ直ぐ改札口を目指した方がましでした。
ニューシャトルは文字通り小型の電車でくねくねと曲がりながら大宮駅を出発、暫く、東北新幹線と平行に走り鉄道博物館駅に到着しました。
駅を出るとそこはもう鉄道博物館のプロムナードです。入るときには急いで居たので気づきませんでしたが、床面のタイルには時刻表が印刷されています。
ゲートを入った所で既に行列が出来ています。 家内がインフォメーションでベビーカーを借りている間に、娘と列に並んでしまいました。博物館の中でも最も人気の高い「ミニ運転列車」の予約券を確保するための行列です。 11時30分から40分近く並んで、15時からの予約を無事に取る事が出来ました。 但し、事前のリサーチ不足で15時30分の予約にしておけば良かったと後で悔やむ事になりました。
1Fのヒストリーゾーンには30両近くの車輌が展示されています。 展示してある車輌を眺めるだけではなく、実際に車内に入ることが出来る車輌もあり、娘を初め家族一同、大いに盛り上がりました。 また、所々に模型の展示や、ブレーキの操作、パンタグラフの上げ下げを実際に体験する事が出来るコーナーもあり、見て、乗って、触って楽しめる展示ゾーンでした。 残念だったのが、ターンテーブル上に乗っているC57を回転させる場面を見られなかった事です。 12時と15時にターンテーブルを動かすそうですが、12時にはミニ運転列車の予約券を貰うために並んでおり、15時はミニ運転列車の予約時間だったので、どちらの時間も見ることが出来ませんでした。
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キハ41 307号
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C57 135号機
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ED17 1号機
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ナハネフ22 1号機
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1Fにはレストラン日本食堂が、また、駅弁を売っている売店があり展示している列車の中で購入した駅弁を食べるスペースなども有りましたが、今更駅弁もなかろうと言うことで、2Fにある森永が経営している「レストランTD」に入りました。
ここでは「デリ3点セット」というメニューがあり、主菜1品+副菜2品+パンで\780とお得です。 最初はさほどお腹も減っておらず、軽く食べて済ませようと考えていたのですが、パンが意外と美味しく、息子に横取りされたりして結局、追加で色々とオーダーする事になり、最終的には結構な量を食べてしまいました。
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デリ3点セット
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鉄道の創世記から現代に至までの年表とそれに関わる資料、模型などが全長75mに亘って展示されていました。 ケースの中にはレールが敷かれており、時々、模型が走りすぎて行くのが奇抜です。 寝台列車が登場する時代あたりで15時近くになり、ミニ運転列車のブースへと移動しました。
午前中に並んで手に入れたのは予約券ですので、今度は乗車券に引き替えが必要です。予約時間は15時なので、10分前くらいに指定の場所に向かうとここでも行列になっています。 乗車券を手に入れるとようやく、ミニ運転列車のブースです。 ここで運転操作の説明を受けると、跨線橋に並んで順番待ちとなりました。 どうでも良いですけれど、良く並ばせられるアトラクション?です。
我々に割り当てられた車輌は253系成田エクスプレスでした。 説明では小学生以上でないと運転出来ないとの事でしたので、すかさず運転席に座った娘を後部座席に移動させようとすると、自分が運転出来ると思って楽しみに待っていた娘は大絶叫で泣き叫んで席から離れようとしません。 それでも無理矢理引きはがそうとしていたら、見るに見かねて係員の方から「お父さんが横で補助して貰えれば娘さんが運転しても良いですよ。」と声を掛けて頂けました。 それではと言うことで、泣きじゃくっている娘を落ち着かせると出発進行です。 253系は旧タイプのトルクコントローラなので、アクセルとブレーキを別のレバーで操作しなければなりません。 モーターの出力を上げて動き始めると、出力を少し落として電車を動かします。 一周300mの軌道の中に、信号や3箇所の駅が設置され、信号の指示に従ってスピードを上げたり、停止したりと結構本格的な運転です。 最初はぎこちなかった娘ですが、次第にこつをつかんだらしく最後の方には一丁前に運転操作を身につけていました。 泣き泣きのスタートではありましたが、最後には満足した表情の娘でした。
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ミニ運転列車ホーム
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全景
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車両
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ミニシャトル列車は「博物館中央駅」と「博物館北駅」の間230mを結ぶもので、1編成に29人が乗れるミニ列車です。 「博物館中央駅」は乗車を待つ人達でかなり混雑していましたが、ミニ列車運転を終えた我々は「博物館北駅」から乗車したので、すんなりと乗ることが出来ました。 また、我々が乗った次の折り返し便が最終運行だったようで、ぎりぎりの所で乗ることが出来、ラッキーでした。
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ミニシャトル列車(はやて号)
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自分達の記念と近所へのお土産を買い求めにミュージアムショップに寄りましたが、かなり混雑しており、ベビーカー毎入って行くのは気が引けたので、息子の番は外でして、交替で買い物をする事にしました。 売り場に入るとあれもこれもと欲しいものばかりで目移りしてしまい、かえって何を買ったら良いのか判らなくなってしまい、大したものは買えず仕舞いになってしまいました。
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ミュージアムショップ
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さてもう一つの目玉であるジオラマを見ようと2Fに上がりジオラマ展示室に向かいます。 流石にこの時間だと空いているだろうと思ったのが大きな間違いで、まだ沢山の方が並ばれています。 人気があるのだと思いながら、列の最後部へ行くと、16時30分で締め切られ「本日の案内は終了した」との表示が張り出されていました。 時計を見るとちょうど16時30分です。 タッチの差でジオラマを見損ない悔しい思いをしましたが、まあ仕方がないと諦めて、歴史年表の続きを見ることにしました。
先程の続きで、寝台列車登場の辺りから現代までを見て歩きました。 寝台列車のヘッドマークや東京駅の模型など、この歴史年表だけでも充分に見応えがあります。
1Fのミュージアムショップには売っていなかったプラレールを探しに2Fのミュージアムショップ(売店?)を覗きました。店の前ではプラレールのデモ運転を行っており、品揃えも充実していましたが、博物館オリジナル商品は見当たりませんでした。 1Fと違って、鉄道関係の書籍やDVD等が充実して置かれており、おたくの匂いがする売店でした。 1Fで買い損ねた手ぬぐいやカバンを買い求めました。 プラレールは荷物になるので見送りました。
家内が楽しみにしていたのがこの特別展です。「第3回特別企画展 電車特急50年〜ビジネス特急「こだま」からJR特急まで〜」と題して、特急こだまから最新の特急達までの変遷を展示していました。 我々の世代はやはり特別急行の世代でしょうか。 新幹線は新幹線として魅力はありますが、やはり路線毎に様々な特急車輌が走っていて、それらを利用していた我々にとってはノスタルジーを感じます。
特別展を見終え、最後に車輌の展示をもう一度上から眺めようとジオラマの展示室の前を通ると、扉が開いています。 入口を見ると「17:00〜17:30開放中」と書かれていて、中に入る事が出来ました。 理由は判りませんが、どうも17時からジオラマ展示を開放していたようです。中に入ったのが17時20分でしたので、10分程しか見ることが出来ませんでしたが、それでも大きなジオラマの中をストーリーに従って模型の電車が走り回っている様子を見る事が出来、十分満足する事が出来ました。 今回は、ジオラマ展示を見損なったと諦めていただけに、喜びもひとしおでした。 次回は是非とも頭から30分間じっくりと説明を聞きたいと思いました。
鉄道博物館駅[17:30] - - ニューシャトル → 大宮駅 →
- 京浜東北線 → さいたま新都心駅[18:00]
閉館時間間際まで居た鉄道博物館を後にすると、今回の宿泊場所である東横イン・さいたま副都心へ移動です。 夕食はホテルの近くにある「デニーズ」です。東横インは都市の近くにしかないのが難点ですが、子供が小さい内は最適な選択だと思います。
さいたま新都心駅[10:20] - - 京浜東北線 → 東京駅 →
(都営バス)→ 東京タワー[11:45]
例の如く出発までに時間を要してしまい、ホテルを出たのがチェックアウト時間ぎりぎりの10時でした。 東京駅に着いたのが11時前で、駅中のコインロッカーが空いておらず、荷物を預けるのに右往左往していると瞬く間に時間は過ぎてしまい、都営バスに乗って東京タワーに着いたら、もうお昼前でした。
東京タワーは映画の影響や昨年50周年記念と云うこともあり、思いの外混雑していました。 エレベーター前にも行列が出来ていて、係員が誘導していましたし、展望台もごった返しています。 出来れば特別展望台にも上がりたかったのですが、展望台を半周する位の行列が出来ており、上がるのに1時間待ちらしく、今回は時間もないので断念しました。
大展望台1Fには「ルックダウンウィンドウ」という床が強化ガラスになっていて145m下を見下ろす事が出来る部分がありますが、恐々下をのぞき込んでいる他のお客さんが見ている前で、娘は何を考えたかその上で飛び跳ね始めました。 周りの一斉に引いています。 なかなか止めないので、引き剥がしましたが周りからはとても奇異な目で見られてしまいました。
お昼は3Fの「マザー牧場」でホットサンドを頂くと、東京タワーを後にしました。
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東京タワー
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東京タワー[13:40] - → 東京駅[14:00]
タクシーで八重洲口に乗り付けると地下街でのショッピングに向かいました。 普段、東京駅の地下街には縁のない家族なので、この機会にと八重洲口の地下街をはじめ、北口に移転した大丸の1F、地下街や東京キャラクターストリートなどを案内しましたが、流石に疲れが溜まって来ているのか今一つ盛り上がりません。 大丸の地下街で夕食用のお弁当を買い求めると、構内に入ってしまいました。
構内は暫く来ない内に大幅にリニューアルされていて、日本最大の駅中ショッピングモールとなっています。 お土産を物色するチームと預けた荷物を引き取りに行くチームに分かれ、思い思いにぶらついた後で銀の鈴で待ち合わせしました。 ちょうど「かりんとう」がブームらしく、日本橋錦豊琳のかりんとうを買い求める方が1時間待ちの列を作っていました。 興味はあるものの1時間も待つだけの時間的な余裕はなく、傍目に眺めながら新幹線の改札口に向かいました。
東京駅[15:10] - → 新岩国駅[19:29] →
→ 自宅
「のぞみ」に乗り込み、買い求めた海苔巻きで早めの夕食を摂った娘は、暫くは折り紙で遊んでいましたが、その内、私の太ももを枕代わりにして眠ってしまいました。 一方息子も、車内で騒ぐので市販の離乳食を食べさせ、ミルクを飲ませると、私に抱き抱えられたまま眠ってしまいました。 結局二人とも、三原で起こすまではぐっすりと寝入っていました。
二泊二日の慌しい旅行でしたが、今回の目的であった「ブルートレイン」への乗車、鉄道博物館での体験、東京タワー見物はしっかりとこなす事が出来、また非常に楽しい時間を過ごす事が出来ました。 特に鉄道博物館では予想以上に楽しむ事が出来、是非とも機会を設けてまた訪れたいと思いました。
名称
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内容
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住所
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電話番号
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備考
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鉄道博物館 | 博物館 | 〒330-0852 さいたま市大宮区大成町3-47 | 048-651-0088 | |
東横イン さいたま副都心 | ホテル | 〒330-0843 さいたま市大宮区吉敷町4-262-1 | 048-657-1045 | |
東京タワー | 電波塔 | 〒105-0111 港区芝公園4-2-8 | 03-3433-5111 |