谷村省吾:ゼロから学ぶ数学・物理の方程式

作成日:2024-03-29
最終更新日:

概要

「まえがき」から引用する

この本は大学の理工系の学部で1年から3年の間に学ぶいろいろな方程式の基礎をわかってもらうことを目指して書かれた.

感想

この本の前書きには、こんなことも書かれている。

ちなみにインターネットで「方程式」をキーワードにして検索すると, 「勝利の方程式」「美しさの方程式」「愛の方程式」「金持ちの方程式」といったサイトが次々と出て来る. そこに現れる言葉を見ると,人間の欲望・煩悩のオンパレード状態である. ちなみに「勝利」とは競馬での勝利のことらしい. そんなものまで方程式で解決できると本気で思ってはいないだろうが,ともかく「方程式」が問題解決の必勝法あるいは近道であるという認識は世間に広く行き渡っているようである. 残念ながら,シュレーディンガー方程式やハイゼンベルク方程式のような重要な方程式は世間では完全に後回しにされているようだ.

私は以前、誰かに触発されて、「〇〇の方程式」という表現は誤りで「〇〇のアルゴリズム」と書くべきだ、と怒ったことがある。まあ、 方程式を立てることができれば、あとはできあいの解法を使えば解が求まるだろうからまあこれもいいか、と今では思っている。

ところで、本書の本文ではシュレーディンガー方程式もハイゼンベルク方程式も出てこない。本書の後半では微分方程式が紹介されているが、そこに登場する物理の方程式は、 ニュートンの運動方程式のほかは電気回路の方程式、熱伝導方程式、波動方程式、ポアソン方程式、ラプラス方程式、一部のマクスウェル方程式である。 p.202 で名前だけ出て来るのが、マクスウェル方程式のほか、アインシュタイン方程式、シュレーディンガー方程式、オイラー方程式、ナヴィエ・ストークス方程式、 ヤン・ミルズ方程式、ディラック方程式である。

名前しか出てない方程式が不憫だ。いくつかこれらを書き出してみよう。`t` は時間である。

マクスウェル方程式

アインシュタイン方程式

現代相対性理論入門から引用する。

ローレンツ計量のみたす方程式は,

$ \mathcal{E} $ ` + Lambda g = (8piG)/c^4 T`
によって与えられる.これを,アインシュタイン方程式という.ただし $ \mathcal{E} $ はアインシュタイン・テンソルで,
$ \mathcal{E} $ ` = "Ric" - S/2 g`
によって定義される.

シュレーディンガー方程式

ゼロから学ぶ量子力学から引用する。

`iħ (del)/(delt) psi = H psi`

`ħ` はディラック定数、`psi` は波動関数、`H` はハミルトニアンである。

オイラー方程式

ナヴィエ・ストークス方程式

ヤン・ミルズ方程式

ディラック方程式

ディラック方程式は電子場に関する方程式である。

ハイゼンベルク方程式

ゼロから学ぶシリーズ

数式記述

このページの数式は MathJax で記述している。

書誌情報

書名 ゼロから学ぶ数学・物理の方程式
著者 谷村省吾
発行日 2005 年 8 月 1 日(第1刷)
発行元 講談社
定価 2500 円(本体)
サイズ 215p 21cm
NDC 410
ISBN 4-06-154671-6
その他 越谷市立図書館で借りて読む

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MARUYAMA Satosi