「まえがき」から引用する。
本書は(中略)群,環,体といった基本的な代数系について,その基礎理論を概説したものである.
なお本書の第1刷は 1983 年 4 月 1 日付となっている。
本書の本文中には問があり、これについては巻末に略解がある。また、第 1 章を除き章末には問題があるが、 こちらには解答が付されていない。いずれも、単に数学的命題が叙述されているだけの問や問題が多くある。 これは、この命題を証明せよ、という意味に取らねばならない。
p.138 には根基についての次の性質が述べられている。
定理 31.3. (東屋-中山)`{::}_RM` は `R-` 有限生成であるとする. このとき `M` の `R-` 部分加群 `N` に対して
`M=N+J(R)M => M = N,`特に`M=J(R)M => M = 0.`注意 定理 31.1 は普通中山の補題とよばれているが,東屋の補題あるいは東屋-中山の補題とよぶべきものである.
このような注意がある理由は詳しくはわからないが、この補題は東屋五郎の発見になるものだから、ということだろうか。 中山の補題は、吉野雄二 : 基礎課程線形代数でも出てきたのを覚えている。
数式は MathJax を用いている。
書名 | 代数学 |
著者 | 永尾汎 |
発行日 | 2002 年 3 月 10 日 初版第 20 刷 |
発行元 | 朝倉書店 |
定価 | 3400 円(本体) |
サイズ | A5 版 |
ISBN | 4-254-11434-6 |
備考 | 草加市立図書館で借りて読む |
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