「まえがき」から引用する。
(本書の)内容も手法も古典的であるが, 複素領域における線形微分方程式の基本的概念であるモノドロミー群やストークス現象をくわしくしたのが特徴といえようか.
なお本書の第1刷は 1994 年 2 月 20 日付となっている。
本書の章末には問題があり、略解が付されている。
pp.36-39 の 5.3 は「解の最大存在区間」についての小節である。 ここで、次の例をみてみよう。
例 5.1. 非線形の単独 1 階微分方程式
を考える.この右辺の関数は `t` を含まず,`x` について連続微分可能である. よって,任意の `(a, b) in RR^2` に対して `(a, b)` を通る (5.14) の解が `(a, b)` の近傍でただ 1 つ存在する(定理 4.4).(中略) よって `b != 0` のときは,`(0, b)` を通る (5.14) の解は(5.14)`(dx)/(dt) = x^2`である.したがって,`(0, b)` を通る (5.14) の解の最大存在区間を `I_(0b)` とすると(5.15)`x(t) = -1/((t-1)// b)``I_(0b) = { ((-oo,1//b), b gt 0 のとき),((-oo,+oo), b = 0 のとき),((1//b, +oo), b lt 0 のとき):}`となる.
最後の図は自分なりに改変したものだ。色が同じ曲線と直線は、曲線が微分方程式の解曲線を、直線がその解曲線の漸近線を表している。 私が最初にこの図をみたとき、曲線と(y軸に平行な)直線の関係がわからず、途方にくれた。曲線はみな同じ黒い実線で、 直線はみな同じ黒い点線で書かれていたから無理もない。
数式は MathJax を用いている。また、 グラフはDEFGHI1977 氏によるSVGGraph(defghi1977.html.xdomain.jp) を用いている。
書名 | 常微分方程式 |
著者 | 高野恭一 |
発行日 | 2002 年 3 月 10 日 初版第 3 刷 |
発行元 | 朝倉書店 |
定価 | 3800 円(本体) |
サイズ | A5 版 |
ISBN | 4-254-11436-2 |
備考 | 草加市立図書館で借りて読む |
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