帰路キャラバン その4


マルファ サンライズロッジにて

10月19日 曇り 起床5:30
カロパニ〜ガサ〜タトパニ〜ラトパニ

外にでると、ダウラTが、右手正面に南東面を輝かせている。
7時50分、ガサに着き、トースト、ミルクテイー、フライドエッグで朝食。

今日の道は、深い谷のへつり道。
遙か下にカリガンダキの激流を見ながらたどる。
ワイヤーで作った、吊り橋をいくつも渡る。

北の聖地「ムクチナート」への、参拝のヒンズウの人たちが行き交う。
そして、ダサインに供される羊たちが、何十匹も連なって下っていく。
ロバが、マルファのリンゴの買い出しに列をなす。
この険しい谷沿いの街道は、大にぎわいである。

お昼は、タトパニの「ホテル・ヒマラヤ」で取る。
スペシャルダルバート。
ポテトと青豆などを煮たタルカリ、チキンスープ、生野菜、ヨーグルト。
おいしかった。

ゴラパニ峠への観光コースを外れ、3時、ベニへの街道に入ってすぐの、
ラトパニの「ホットスプリング・ラトパニ」に泊まる。
カリガンダキ川と、その支流の河原には、あちこちに温泉が湧きだしている。
標高1700mで、カリガンダキ川の左岸の石畳の街道沿いにある「ラトパニ温泉」は、
西の右岸にわたる、吊り橋のたもとに下った、川原にある。
お湯が、岩に囲まれた、砂地から湧き出ていてかなり熱い。
水泳パンツをはいて、タオルを持っていく。
近所のお爺さん・おばあさんが二人浸かっている。
「いいですか?」と聞くと、「どうぞ」とのこと。
お湯は、腰までしかないが、お二人の隣に並ばせてもらい、肩に掛け湯をしていると、本当にゆったりとした気分になる。
今夜のダルバートは、肉入りのタルカリで、これまたおいしい。

10月20日 曇りのち晴れ 起床5:30
ラトパニ〜テイプリング〜ベニ

食事抜きで、6時スタート。
標高はどんどん下がり、今日は短パンスタイル。
もう周りの果樹も、リンゴの世界からスンタラ(みかん)の世界に切り替わっている。

カリガンダキの絶壁を、くりぬいた廊下状の悪路を、コックのダワはまるで走るように下る。
付いていくのが精一杯である。
12時30分ベニの街に着く。

ここまでは、最近車道が出来ており、われわれを迎えにバスが入って来ている。
夕方4時過ぎ、10頭のラバで荷が着く。
アンプーリも、かなり疲れている様子だ。
4時半、全ての荷物を積んで、バスがスタート。

ポカラで、ダルバートの夕食を取っただけで、走り続け、21日の深夜1時半、カトマンズ・ラジンパットの「コスモトレック」に着く。
これで、僕らの帰りのキャラバンは、無事終わった。

宮川 記

その3へ