敷地には古屋がありましたのでまずは解体からスタートです。
敷地は古い擁壁がありこれ以上負担をかけないようにする必要がありそうです。 地山まで鋼製杭を打ち込んで建物の荷重を既存擁壁にかけないようにして対策を施します。
所定の位置まで掘削をして捨てコンを打ち基礎の位置の線を描きました。 斜めの部分があるので少し苦労したようです。
墨出しした位置に基づいて鉄筋を組み立て型枠を立てます。 鉄筋が設計どおりになっているか検査します。
コンクリートの打設が終わり型枠を外しました。 角はピシッとピン角。夕景が綺麗です。
傾斜地のため基礎が地中に埋まってしまうところがあります。 念のため防水を施して一部砕石で埋め戻します。
棟上げに先立ち土台の据付を行います。
いよいよ上棟です。下から見るとこんなところです。斜面の天辺です。鉄骨の螺旋階段があるためこのタイミングでクレーンで吊ってセッティングします。
屋根が平らで屋上となっているためFRPで防水を施します。晴れていれば富士山から大島までの大パノラマが望めます。
タイルや石などに輸入材があり納期が不安定なため早めに決定しておきます。
水切りなどの板金のカラーと艶を検討します(缶を置いて反射を見ます)。色は両方ともホワイトですが微妙な色違いと艶が違います。スノーホワイト(マット)に決定です。
外壁には構造耐力のある面材を使います。筋違と面材両方でバランスよく耐力壁配置を計画しています。
洗面などで水を流した時にゴボゴボしないようにスムーズな排水を助ける弁を排水管の途中に取り付けます。
写真中央部分にガラスが入り室内外を分けます。右側は外部となりその上は部屋なのでしっかり断熱を施します。
サッシが入って窓で切り取られる景色が見えてきました。2階は富士山から伊豆半島まで。1階のゲストルームからは相模湾が望めます。
最上階天井にはポリスチレンフォーム、壁には高性能グラスウールを用いて断熱します。
外壁通気層の最上部には土台周りと同じく小動物などの侵入防止の部品を取り付けますがこの部分は雨水の侵入にも配慮します。
方持ち式の鉄骨梁をセットします。水平方向の抵抗としてブレースを入れますがビリ音が出ないよう指一本分隙間を開けておきます。仕上げは溶融亜鉛ドブ漬けメッキでサビから鉄骨を守ります。
桁と梁が鈍角に交わる箇所があります。通常の羽子板ボルトでは直角しか対応できないので角度が自由になる羽子板ボルトを用いて留めつけます。
エアコンの室内機と室外機をつなぐ配管類が表に露出してこないように隠蔽配管工事を行います。
2階外壁の直角な角と1階外壁の鋭角な角が上から下まで一直線になるよう計算して柱の位置などの微調整を調整しておきました。この建築デザインの要の部分でもあります。
外壁モルタル左官の下地として金網を張ります。
ドア枠をスリムに見せるためデザイン上の工夫があります。実物大の模型を作って納まりの確認です。
物干し金物のビスがしっかり効くようににあらかじめ軒天井に合板の下地を入れておきます。
外壁の一部にポストが付きます。目立たせたくないのでシンプルなポスト口としました。
リビングのエアコンは住宅用の天井カセット式としました。壁掛け型と違い室内側のメカを天井内に隠せるので目立たないように設置することができます。
薪ストーブの煙突が設置されました。煙突が屋根を貫通する部分は防火処理が施されます。
浴室は在来工法のオリジナルなのでFRPで防水層を作ります。ガラス繊維を樹脂で固めるのですが溶剤の匂いで酔いそうです。職人さんには頭が下がります。
1階ホールは室内から屋外へガラスを隔てて連続的に繋がっているデザインとしています。できる限り要素を少なくして連続性を表現します。
浴室のドアは枠なしの強化ガラスです。ガラスを直接つかむ金物を使い存在感がないように工夫します。
外壁のモルタル下地の左官が終わりました。クラック防止のネットを塗り込んでもらいます。
トイレの天井には天窓が付きます。壁に窓がないデザインなのですが空が見えて明るくなります。
螺旋階段の踏板は鉄骨の上にタモ集成材を張り付けます。
テラスの手すりもスチール加工品を溶融亜鉛ドブ漬けメッキで仕上げます。パイプ状のパーツなので溶けた亜鉛が出ていく穴が必要です。目立たない裏側に設けました。
壁天井のPB張りも進みリビングからの景色の見え方がはっきりしてきました。
キッチン周りの家具も全てオリジナルの製作物です。空間と使い方に合わせてデザインしてあります。
外壁の仕上げは白色の吹き付け材です。
内壁にはしっくい左官の部分があります。サンプルを作ってテクスチャーの確認です。少しラフで自然な感じとしました。
バスタブが設置され浴室の仕上げ工事も進んでいます。
アプローチやホールの床に貼るタイルが現場に搬入されました。
長さ5mのウォールナットオリジナルTVボードが設置されました。オーディオ機器やLAN機器を収納しリビング周りの小物も収納できます。
薪ストーブを設置するエリアにタイルを貼りました。薪のかけらや灰が落ちることがあるので不燃材で作ります。フローリングに合わせたブラウン系で斑模様のタイルとしました。
エントランスホールのタイルを貼ります。螺旋階段の円柱に合わせて割り付け&カットしていきます。
しっくい左官の下地としてファイバーの入った下地材を塗ります。
アプローチの階段からエントランス土間まで同じタイルが続くデザインです。色幅のあるラフなテクスチャーのタイルを選定しました。
キッチンの天板はクォーツの入った人造石です。天然石にも負けない表情と質感があります。シンクなどの部品も搬入されました。
枠がないガラスだけの引き戸を設置します。天井にレールが仕込まれていてガラス上部に取り付けた車輪がその中を滑ります。
足場が外れて全体像が見えてきました。
洗面台の鏡下にはガラスモザイクタイルを貼ります。デザインと汚れ防止の機能性を両立させています。
リビングルームの床から続くようにアイアンウッドの床材を張り風景の邪魔にならないようスケルトンのスチール手すりを設けました。
設計事務所検査、施主検査も終了しもうすぐお引き渡しです。工事に尽力いただいた方々に感謝します。おかげさまでとても良い建築となりました。