地鎮祭が行われました。
いみ竹のみではなく木材による祠もある立派な祭壇でした。 関係者全員で工事の無事と安全を祈願いたします。
敷地全体が軟弱地盤のため杭を打ちます。
先端にネジ状の羽がついている鋼管を
機械でねじりながら打ち込みます。
固い地盤まで24m近くあるので
鋼管を溶接してつなぎながらねじ込んでいきます。
固い地盤までちゃんと到達したかどうかは
この様な装置を鋼管内部に落として底にぶつかった時の衝撃を測ることによって確認します。
基礎を作るために地面に穴を掘ります。
地鎮祭のときに神社よりいただいた鎮め物を地中に納めます。
杭の頭が所定の高さになっているか確認します。
鉄筋組立の状態を確認しました。
杭基礎のためかなりの鉄筋量となっています。
スラブのコンクリート打設も完了し立ち上がり部分の型枠の確認です。
鉄筋やアンカーボルトの位置調整を指示しました。
クレーンがやってきていよいよ上棟です。
東京都心の防火地域内に建つ木造は珍しいのか道行く人が立ち止まってみていきます。防火地域のことを知っている人は「ここで木造が建てられるんですか!?」と声をかけてきます。
確かに鉄骨や鉄筋コンクリートの建物が建ち並ぶ間に立つ木造はなんだか不思議な感じもします。
地震や台風などの外力に抵抗するために耐力壁という丈夫な壁を配置します。
従来の工法ですと幅900mmで5倍が最高でしたが「パルテノン」という特殊な壁をつかうことにより幅350mmの壁で7倍の壁倍率とすることが出来るのです。
窓の幅を広くとったり「まぐち」の狭い建物をつくることが出来るようになります。
まぐち幅が小さい3階建ての建物の場合開口部を大きく取ると耐力壁が充分に取れないことがあります。
先日のパルテノンを使ってもまだ足りないときどうするか。 こんな風に耐力壁を重ねて作ります。
壁の厚みは増しますが幅を狭くすることが出来ます。
3階部分の屋根は平らな屋根です。
FRP防水を施して屋上とします。 階段で上がることが出来るようペントハウスも設置しました。 とても良い空間になりそうです。
屋根が葺き上がりました。
鋼板の縁を立ち上げてかみ合わせながら折り込んで接合させる工法です。 比較的緩い勾配で作れることと見た目がシャープですっきりしているのが特徴です。
屋根や天井に断熱材としてグラスウールを用います。
できる限り高性能で断熱効果の高いものを入れたいところですが耐火木造の仕様で使える種類が決まっています。
断熱効果が高すぎると火災時の熱が中にこもりすぎて所定の性能が出せないのです。
床の下地は何重にもなっています。
耐火木造の仕様で定められた下地を作る必要があるのです。 24mmの合板+21mmの強化石膏ボードを2枚+合板12mm+フローリング15mmで93mmの厚さとなります。 重量もかなり増えるので構造体である梁も丈夫に造ってあります。
上を歩いた感じも木造とは思えない様なしっかりとした感じです。
最上階の屋根は一部を除いて平らになっていて屋上として活用できる設計です。
木造の場合防水性能に気をつける必要がありますがガラス繊維を樹脂で固めたFRP防水を施して対処します。
屋根面全体が一体の防水層となるので安心です。
外壁の耐火仕様下地として35mm厚のALC(軽量気泡コンクリート)板を張ります。
空気の泡がいっぱい入っていますので火災時の熱をバリアすることが出来ます。
コンセントやスイッチなど壁に埋め込まれる物の裏側のBOXは木造の場合は通常樹脂製ですがここも耐火仕様のため鉄製となります。 そしてさらに石膏ボードでくるむ必要も出てきます。
見えないところにもかなり手間がかかりますが耐火の処理を施していきます。
内壁の下地となるプラスターボードも2重に張ります。 その際に1枚目と2枚目のプラスターボードの間にガラス繊維強化アルミ箔を挟みます。 少し厚めのアルミ箔の裏にグラスファイバーがくっついている物です。
2枚目のプラスターボードを止めつけるビスからの火災時の熱を壁の中の木部に伝えにくくするための仕掛けです。
天井下地のプラスターボードも2重張りです。 2枚目を張るときは目地をずらして張っていきます。
火災時にはプラスターボードが縮んで隙間が出来るのでずらして張って隙間が木部まで届かないようにします。
排水管などが床を貫通している部分があります。
この隙間も耐火シール材を充填してふさいでおきます。
耐火の構造は階段についても例外ではありません。
木材で作りプラスターボードでしっかりくるむ方法もありますが今回は鉄製の階段とすることで耐火基準をクリアさせました。
段板の仕上げ材や天井の仕上げが自由になるのが利点です。
寸法的にタイトな階段室では有効な方法だと思います。
勾配天井の最上部に窓が付いています。
光を取り入れたり。風をながしたり。空を眺めたり。
良い気持ちです。
鉄骨階段の塗装が完了しました。
が、手すりの仮止め材を外す前に塗装屋さんが仕事をしてしまったので 外してから修正します。
鉄骨屋さんは出来上がりの状態を想定して組み立て溶接をしてくるので その際にサポート材としてこのような仮止めをしてくることがあります。
部屋の中に柱梁を使ってシェッドを作ります。 2段ベッドの大型タイプの様なものです。
ピンを差し込んで留めるタイプの金物を使っての組立式なので模様替などで分解することも可能です。下は基地の様に上はロフトの様に使うことができます。
クライアント一家ののお子さんはプラレールを出しっ放しにして自分の世界を広げていく予定だそうです。
お陰様で建築の工事がほぼ完了いたしました。監督さんをはじめ工事に携わっていただいた関係者の方々、そして職人の皆様に感謝します。
ありがとうございました。