今まで住んでいたお家を解体しました。
最近は分別リサイクルが徹底しており建物の解体も大変です。
SS試験を実施し地面の耐力を測定したところかなりの軟弱地盤だということが判明。
杭を打つにもかなりの深さとなってしまうため表層に発泡スチロールのような物を敷きつめていくSP工法を採用することとなりました。
40cm近くの発泡スチロールになりますので断熱効果もかなり期待できそうです。
地盤改良の発泡スチロールの上に基礎の鉄筋をくんでいきます。
コンクリートを打設する前に鉄筋の確認をしておきます。
かなり地味な作業ですが大切です。
基礎の形に合わせて型枠を組み立てます。
コンクリートを打ち込めば基礎の完成です。
打ち上がった基礎に白アリに強いヒバの土台を敷きます。
水平を確認しながらアンカーボルトで締めていきます。
屋根のR曲面の骨組となる梁を加工しています。
この部分はプレカット工場の機械での加工は出来ず職人さんの手加工に頼ることとなります。人はやる気になればなんでも出来るのです。
骨組が一気に組み上がり上棟しました。
R梁も架かり全体の形が現れます。
やねのR曲面をきれいに出すため垂木を細かいピッチでいれています。
グラデーションがかかってきれいです。
外壁面に透湿防水紙を貼ります。
壁面に侵入した雨水をブロックします。
透湿防水紙の重ね代を確認します。
紙に基準の線が印刷されているのでそれを目安にします。 重ね代が少ないと漏水のリスクが高まるので しっかりと重ねます。
外壁通気層を確保するための胴縁です。
通気層のための胴縁には色々なものがありますが今回は穴の開いた胴縁を使うことになりました。 曲がりが少なく精度を出しやすいとの事です。
左官外壁部分の下地です。
塗り壁はどうしてもクラック(ひび割れ)が起きやすいのですがこの下地材を用いるとクラックが入りにくく大きな面を自由に構成することが出来ます。 見た目はクッキーのような感じのものでした。
外壁に通気層を設けるのですが当然隙間が空きますので虫や小さな動物が入ってくるかもしれません。
あまり気にすることはないかもしれませんがそれをブロックする材料を取り付けます。(青い部分) プラスチックでできた段ボールのような素材です。
板金外壁部分の下地です。
鉄板だけでは防火の性能を満足させられませんので火に強い下地材を張ります。
屋根と外壁の大部分がガルバリウム鋼板の「平葺き」で仕上げます。
昔からある仕上の方法ですが鋼板の耐朽性も上がり性能は大分良くなりました。
ストライプラインが格好いい!
2階にはルーフバルコニーがあります。
下が1階の部屋となっていますのでFRPにより入念に防水を施します。 万が一排水口が詰まったときのことを考えてオーバーフローのパイプも設置します。
小屋裏のかまぼこ天井が出現しました。
なんとも楽しい空間です。
左官外壁の色を決めます。
サンプルをいくつか準備して実際に壁にあててクライアントと一緒にイメージを確認します。
既製品のサッシを用いて作ります。
2連5段の大型連窓サッシです。
この建物の最大の特徴である部分が現れました。
室内造作部の色を決めます。
杉材にオスモカラーで色を付けますが実際に使う材料にテストしてから決定します。
基本的には白色系ですがニュアンスにも注意して考えます。
ついに正面が仕上がり、姿を現しました。
階の層を表さないモノコックなデザインです。
螺旋状の階段です。
木造で尚かつ全ての面が仕上となるので大工さんには苦労をかけてしまいましたが良い仕上りです。
カーテンウォール側は段板を鉄骨の桁で受けてあげます。
スッキリと抜けた感じにするため鉄板の厚板一枚からジグザグに切り出して製作してもらいました。
ルーフデッキはタイルで仕上げます。
将来のメンテナンスのために取り外しが可能な組立式のタイルユニットを使いました。
屋根と壁が一体型で雨樋が無いので基礎廻りに雨受け排水用のU字溝を設置します。
内装も仕上がってきていい感じになってきました。
実際ドアが付く環境でサンプルを使って確認します。
外壁の板金との色合いも考えて濃い色にすることにします。
階段室の窓はRの部分以外は全て開けることが出来ます。
窓の下の部分をグッと突き出す「横滑り出し窓」です。 開放感抜群です。
細かい工事は少々残っていますが無事完成いたしました。
建て主様をはじめこのプロジェクトに協力いただいた皆様に感謝です!