上陸!ばか夫婦号
(2001年11月中旬)

 ぶじ(?)ご懐妊が確認されたこゆめ様だが、とりあえず見た目のうえではほとんど変化はなかった。
 すなわち、相変わらずちっちゃっこくて可愛くてなんだかこねこチックであり、メシをくれろと見上げる瞳も邪悪にうるわしいブラック美少女ぶりは健在だったのである。

 とはいっても毎週体重をはかっているとじわじわとウェイトが増えていることが確認できたし、ほかの猫たちがちょっかいを出してきてもイマイチかったるそうにしていてノリがわるい。ああこゆたん、かわいいこゆたん。キミはほんとうに母になってしまうのだねぇぇぇ!

 ・・などと感慨にふけっていてもしょうがない。そんなことよりっ!
 母になるこゆめと我が家の前に横たわる大いなる試練。
 それは引越し!!

 しかも隣の県だとか近隣の町とかへの引越しではない。北海道から本土へ、その距離数百キロにならんとする、ほとんど大自然ネイチャースペシャルってカンジの壮大な大移動である。(←?)
 これを如何に乗り切るか、というのが当面の我々の課題であった。

 当の引越し話については過去の日記のこのへんに詳しいのでそちらを見てもらうとして、今回の育児日記では少しだけ裏話をしたいと思います。

 まず、移動手段。
 移動時間が最短であり、通常状態であればもっとも猫たちにも負担が少ないだろうと思われた「空路利用」はまっさきに却下された。
 交配直後で着床していないときならともかく、妊娠中の飛行機移動はさすがにまずいというのである。
 となると、陸路しかない。・・・一瞬「海路」というおもしろプランも頭に浮かんだが、ダンナが一足先にクルマ持参で本土帰りしていたのでフェリーポートまでの足が確保できず、早々に断念することになってしまった。っていうか、調べてみたところ海路だと猫は犬猫共同の「ペット室」みたいなところのケージに入れられてしまうことがわかったのでコレはお話にならないと判明。そのへんがクリアできれば、フェリー移動もちょっと面白いと思うんだけどね。

 そんなわけで改めて、陸路である。
 北海道からの陸路移動といえばやはり寝台車。寝台車といえば「北斗星」か「カシオペア」の個室寝台がまっさきに思い浮かんだ。
 個室なら、もし猫ズが騒いだりウ○コによる強烈毒ガス攻撃をかましたとしても他の乗客に迷惑が及ばなくてすみそうだ。それにトイレ休憩(?)とかゴハン休憩とか、少しはキャリーから出して自由にさせてやれるかもしれない。

 よし、ちょっと移動費がばか高くてイタイけど、ここはひとつカシオペアだ!
 カシオペアならなんと個室の中にトイレまでついているので、もし猫ズがウ○コをしても流してしまえる。
 完璧だ。
 それにカシオペアには前から乗ってみたかった!まさに渡りに舟、いやさ渡りに寝台車!(・・・・・)

 というわけで思い切って猫連れ列車移動に踏み切ったのだが、陸路を選んだのは実のところ100パーセントこゆめのためだったのである。
 飛行機で移動すれば、事前の預かりから含めても2時間半ほど離れ離れになるだけであっというまに現地に到着できるし、前回スオミとアイノを連れて北海道に引っ越してきたときの感じからしても、ふたりで一個のキャリーに入れてあげれば意外と平気そうだった。それに対して、カシオペアでの移動時間はなんと約18時間!!そんな長時間キャリーに閉じ込められて過ごすほうが猫にはよっぽどストレスなんじゃないだろうか。

 だからもし今、北海道や九州から猫連れで長距離引越しをしなくてはいけない人から「移動方法は何がいいと思いますか」と質問されたとしたら、「やっぱり飛行機がベストでしょう!」と答えると思う。
 それなのに陸路で来ちゃったんだよねぇ。まきこまれたほかの猫ズ、ごめんなさい。
 でもカシオペア、ニンゲンはけっこう楽しかったけど。(←ひどい)

 おかげさまで移動中のこゆたんはとってもいい子で、だまって長時間のキャリー生活を耐えてくれた。
 ただし目がヒョウタンツギになってたけどね。

 そういえばキャリーでの移動のときも、ほんとうはこゆめだけ小さめのキャリーにひとりで入れてあげようかとも考えたのだが、かえって他の猫と一緒のほうが不安にならなくてすんでいいかもしれないな、と思い直して幼な夫・カールと一緒のキャリーに入ってもらうことにした。
 これは実際当たりだったようで、いつもやたらと要求がうるさいブラックこゆたんにして、まったく「出して-」とか「もうイヤー」などとニンゲンに訴えてくることはなかった。静かなので心配になってのぞいてみると、ふたりでくっついて・・・というよりカールにくっつかれて(・・・)すやすや寝てたりしたし。やっぱりひとりで長時間閉じ込められるよりは他の猫と一緒にいたほうがだいぶ気がまぎれて良かったんじゃないかと思う。

 しかしこのこゆめとカールが入ったキャリーバッグが、ひそかに「コードネーム・ばか夫婦号」と呼ばれていたという事実はこゆたんにはナイショである。・・・・・・

 まぁ、あれですね。なんだかんだいって、こゆめとカールは仲がいいですからね。ははは。
 ここはひとつ、仲良き事は美しき哉!とごまかしておくとして。(←?)

 今回あまり中味がなかったが、これでやっとぶじ本土に上陸したところまで進めたので、次回はいよいよ「出産直前編」をお送りする予定です。早く現在に追いつかないといけないし・・・

むむっ、またあたしの子にちょっかい出しにきたわね。きっ。
今回マジで中味がなかったのでせめて写真を。
こねこたち、ほんとに大きくなりなした。



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