メキシコ北部大縦断の旅L.A.からメキシコシティへ
                  
(1998/9/12〜1998/9/27)16Days

9.相棒ダウン、サカテカスで休養の巻(Zacatecas/1998/9/20)

HOTEL CONDESA 朝7時を少し過ぎたころ、夜中走り続けた我々の乗ったバスはサカテカスのバスターミナルに到着した。一歩外に出るとあたりは一面朝もやで周囲がまったく見えない。しかも高地のためかとても寒い。バックをまさぐり、もう1枚上に羽織った。

 わたしはバスの中で例によって幾分寝苦しくも疲れていることもあり何とか寝てしまったが、江川が何かの食べ物にあたったのか、道中何度も吐いてしまったらしい。とても気分が悪そうだった。それなのになにも気づかずのんきに寝ていた自分が腹立たしい。そこで今日はサカテカスゆっくり休養をとることにして、すぐタクシーを捕まえにいき適当なホテルまで直行した。

 HOTEL CONDESA(N$120)というホテルに入った。ちょっと建物は古かったが、中が吹き抜けになっていてなかなか趣きのあるホテルだ。江川はつらそうだった。とても動ける状態にはなかった。さすがにいままでの強行軍の疲れが一気に噴出したという感じだ。多分固形物は無理だなと思い、なにか100%のジュースでも買ってきてやろうと1人部屋を出た。順調に行けば今日グアナファトに着く予定だったので、カルメカの光子さんに遅れる旨の電話をした。相棒の事情を話すと「Lomotil」という薬が良いとのアドバイスをもらってさっそくその薬を買いにFarmaciaに向かった。そして一旦部屋に戻りホテル1Fのカフェテリアで軽い昼食をとった後、薬を飲ませた。まだ具合がわるく動けないらしい。わたしも少し休息をとり、1人サカテカスの町を見に出かけることにした。

ZACATECASの街並み サカテカスの町を歩く。古い石畳の小路、噴水のある緑豊かな広場、そしてカテドラルといった歴史的な建物。中世ヨーロッパの雰囲気をいっぱいに感じることができる。高原に位置しているため空気がとても澄んでいて気持ちいい。「Mira del Eden」という昔鉱山があった場所に行ってみることにした。いまは観光客向けに開放されている。トロッコに乗って中に入る(N$13)ことができる。奥深く続く長い長いそのトンネルは昔の苦労を偲ばせる。中にある土産屋で卵の形をしたクリスタルを買った。100ペソと少し値は張ったが、光の当たり具合によって神秘的に輝くその石に一目ぼれしてしまった。

 それからサカテカスで有名なロープウェイに乗ってみようと駅のある丘まで長い上り坂をひーひー言いながら登っていった。高地のためすぐ息が切れる。30分近く歩いてやっとのことで駅にたどり着いた。とりあえず呼吸を整えるために駅の露店でCOCAを買い、一服することにした。そこからはコロニアル都市であるサカテカスの町が一望でき、しばらくの間その景色に見とれてしまった。ぼーっと眺めているとまるで中世にタイムスリップしてしまったかのような錯覚に陥る。こんな町がまだたくさんメキシコには残っている。わたしがメキシコを好きな理由の一つだ。1時間ほどその景色を楽しんだ。わざわざ向かい側のブーファーの丘まで行かなくてもきれいな景色を十分堪能できることに気づき、結局ロープウェイに乗るのをやめてしまった。

丘の上から街を一望できるのです そこで何枚か写真をとったあと、またアルマス広場に向かった。江川に頼まれた絵葉書を買うためだ。彼と自分それぞれに違う景色のものを数枚買った後、広場の石の階段に腰を下ろして、子供たちがボールで楽しく遊んでるのを眺めながら日本の友人にはがきを書いた。きょうまでばたばたと旅を急いできたので久しぶりにゆっくり自分の時間をつくれたひとときだった。わたしはどちらかというと自分の時間がないとだめな人間なので、その時間はとても貴重だった。気の合う友人と一緒に旅行するのはもちろん楽しいけど、たまには1人で勝手気ままに町をぶらつくのもいいものだ。ホテルでダウンしている江川には申し訳ないが・・・

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