メキシコ北部大縦断の旅L.A.からメキシコシティへ
                    (1998/9/12〜1998/9/27)16Days

2.国境を自分の足で・・・(Tijuana/1998/9/13)

 朝7時半に起きた。まだ寝足りない。昨晩の中華コンボの残りを口に入れ、身支度を整えてチェックアウトを早々に済ませた。
 白タクのおやじにグレイハウンドバスターミナルまで乗せてもらう。彼はサンサルバドル出身と言っていた。L.A.はさまざまな人々が入り乱れて生きている。英語がいまいちなわたしでもスぺ語だけでなんとかなってしまう。それだけ中南米から沢山の人が来ているということだろう。なにか考えさせられるものがあった。目指すは国境の町San Ishidroだ。

右足メキシコ。左足アメリカ。 バス(US$16)で約3時間半で国境に着いた。国境を歩いて渡るというのが我々のささやかなイベントの1つであった。国境の前で記念の写真を何枚か撮った。そしていざ国境越え。2重の回転扉を抜け、左横にあるInmigration Officeで荷物をろくに調べもせずパスポートとツーリストカードにスタンプを押してもらった。たった5分足らず。(あれ、これで終わり?!)いくらかでも緊張していたのが馬鹿らしくなった。こうして期待していた国境越えはあっさりとクリアしてしまったのだった。(現在ティファナ周辺は、72時間以内ならばツーリストカードなしでも入国できる特別ゾーンになっていてアメリカ人はほとんどノーチェックで通りすぎている。そのせいかもしれない)

 何はともあれメキシコ入国を果たした我々はセントロに向かうことにした。とりあえず今日泊まるホテルを探さなくてはならない。20分くらい歩き回り、「Nelson」という町の中心にあるホテルに決めた。窓からはセントロが一望できる。1泊US$32(D)と少々値は張ったが初日なんでまあこんなもんでしょ。

 荷物を置き、さっそく町に繰り出した。ティファナは国境の町、少しはアメリカナイズされているのかと思ったら、やはりメキシコ。アメリカとはがらっと町並みが変わっていた。きれいなビルの合間合間ににぼろぼろの家が軒を連ね、今年モデルの外車を乗り回している金持ちがいるかと思えば、よくもまあがんばってるねぇと思わず声をかけてあげたくなるようなおんぼろの車たち。スーツに身を固めたビジネスマンが街中を闊歩すれば、道の片隅で貧しいインディオたちが手を差し伸べている。いろんなものが入り組んでそれでも社会として成立している。メキシコはほんとに興味深い国だ。もっともっと知りたいと思う。そしてこの懐かしいメキシコの臭い。アメリカには決して感じることのない。(でもそれが好きなんだよな)また帰ってこれてちょっとうれしい気持ちになった。

ホテルから街を眺める しばらく街中の土産屋を冷やかしながら歩き回った。メキシコの土産屋も日本人が金を持っているということをよく心得ていて、日本人を見つけると目の色を変える。「No tengo dinero.」金ないよと答えても信じてくれない。(そりゃそうか、金がないやつがわざわざ遠い日本からこんなとこまで来ないよな)そう考えたらちょっとおかしくなった。客引きが叫んだ「ダイジョブ、ダイジョブ。貧乏人プライス!!」なんて滑稽なことばなのだろうか。日本語と英語が合体したしたこの奇妙な単語がこのメキシコで使われている。さすがに2人で吹き出してしまった。

 江川と闘牛やハイアライをぜひ見てみたいと楽しみにしていたが、今夜はどちらもやっていないらしい。明日はもうラパスへ行かなくてはならない。とても残念だ。近くにあったディスコ付きのバールでしばし飲んだ後、11時過ぎにホテルに戻った。帰り際、ホテル1Fのカフェテリアで食べたトルタスがとてもうまかった。

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