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名演2009年7月例会 劇団NLT公演 

作/メリー・チェイス 訳/黒田絵美子 演出/グレッグ・デール

 1944 年にブロードウェイで上演され、足掛け5 年に渡り大ヒッ卜した作品が『ハーヴィー』です。ジェームス・スチュアート主演で映画化もされ、またスチュアート自身も舞台版に出演しました。最近でもロンドンやブロードウェイ、そしてアメリカの地方都市で上演されているファンタジックコメディの名作です。
 ハーヴィーを友人に持つエルウッドの純粋さが、周囲の人たちの強欲、無知、狂気を鮮明にさせる一方で、彼の存在が人々を愛させ、和やかにさせます。ハーヴィーは欧米ではポピュラーな妖精と説明され“プーカ"と呼ばれています。いま、プーカがこの世にいると話す人が現れたら、私達はどのように対応するでしょうか。この作品はハーヴィーを通して人聞の業の深さ、醜さ、そして友情の大切さを教えてくれるハート・ウォーミング・コメディなのです。

ハーヴィーからの贈り物
7月15日(水)6時30分
  16日(木)1時30分
       6時30分 
 
中京大学文化市民会館プルニエホール
(名古屋市民会館中ホール)          地図
上演時間
2時間20分(休憩15分を含む)
あらすじ
解説
キャスト・スタッフ
関連サイトリンク
会費 月額一般 2600円 22歳以下 2000円  
   高校生以下 1300円
入会金  一般  2900円 22歳以下 2300円    
高校生以下 1600円
新入会の方は、会費と入会金が必要です。それ以外の入場料は必要ありません。  くわしい名演の入会方法はこちら
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あらすじ

 カリフォルニア州の名家、ダウド家の長男エルウッドは心優しい紳士だが、彼には最近ハーヴィーという名の不思議な親友が出来た。彼の姿は見える人と見えない人がいるが、どうも予知能力等の不思議な力を持っているらしい。
 エルウッドの姉ヴェータは、見えないハーヴィーを誰かれ構わず紹介するエルウッドに困り果てていた。なぜかというと年頃のヴェータの娘マートルが結婚できないのは、ハーヴィーを友達に持つエルウッドのせいだと考えていたからだ。そこで彼をチャムリー療養所に入院させようとするが、ヴェータ自身が時々ハーヴィーを見ると告白したため、エルウッドの代わりに、彼女が病人と間違えられてしまう。
 しかし、ハーヴィーの存在に気づいたチャムリー医師は、自分の願望を叶えるために彼を探し始めるが…

作者:メリー・チェイス
1907年、コロラド州、デンバー生まれ、大学卒業後ジャーナリストと結婚。30歳の時、初めて戯曲『ついにやったね』を執筆、その後数本の作品を書いた後、『ハーヴィーからの贈り物』を完成させた。この作品は『白い兎」『プーカ』と題名を変えながら地方公演 を続け、1944年11月、ニューヨーク、ブロードウェイの四十八丁目劇場で上演され、足かけ五年、1775回の大ロングランを記録し、同年のピューリッツァー賞(戯曲部門)を受賞した。
 ブロードウェイでは、エルウッドは7人の俳優によって演じられ、初演はボードビリアンのフランク・フェイが演じた。途中、ジェ−ムス・ スチュアートも演じ、映画化される際には同じ役を演じた。演出はアントワネット(トニー)・ペリー。ちなみにブロードウェイの権威ある演劇賞トニー賞は彼女を記念したものである。
 チェイスはこの成功の後、 ブロードウェイでヘレン・ヘイズ主演の『マクシング夫人』、『 バーナーディン』を発表。

翻訳:黒田絵美子
 中央大学教授。翻訳家、劇作家。主な翻訳台本は『毒薬と老嬢』 、『ニノチカ』、『レティスとラベッジ」、『マスタークラス』、『私生活』、『バタフライはフリー』、『ザ・ビューティフル・ゲーム』、『さあどうする!?』、『マグノリアの花たち』、『OH!マイパパ』など。

出版物:ジャネット・へイン著「この愛のすべて」(中央公論社)、テレンス・マクナリー著「マスタークラス」(劇書房) 。
創作劇:『白いカラス』、『天使の庭』、『ショパンの宵待草』 。新作落語: 『おしゃべり往生』など。

演出:グレッグ・デール
プリンストン大学にて文学と演劇を専攻。ニューヨークを中心に俳優、演出家として多数の舞台を手掛ける。1991 年に初来日以来、以来舞台、テレビに俳優として出演し、演出家としても多数の舞台を手がける。
主な演出作品は、『被告人』(アートスフィア)、『短編集』(博品館劇場)、『扉を開けてミスターグリーン』(サザンシアター) 、『そして誰もいなくなった』(吉祥寺シアター)、NLT では『毒薬と老嬢』(博品館劇場) 、『バタフライはフリー』(俳優座劇場)、『さあどうする!?』(俳優
座劇場) 、『犯人は私だ!』(博品館劇場)、『ジゼルと粋な子供たち』(博品館劇場)多数。

エルウッド・P・ダウド役:寺泉憲 
1947 年生まれ。神奈川県出身。劇団雲、演劇集団円を経て現在に至る
 舞台『十二夜』、『リチャード三世』、『アニーよ銃をとれ』、『エリザベート』、『上杉鷹山』ほか
 映画『蛍川』、『帝都物語』、『電車男』、『容疑者・室井慎次』ほか
 テレビ『独眼竜政宗』、『ひまわり』、『さくら』(NHK)、『オレゴンから愛』 (C X)、『水戸黄門』 (TBS) ほか
その他CM・ レポ一ターなど多数

(寺泉さんのコメント)
この作品は今の時代にピッタリだと思うのです。人間の心が病んで、金や物ばかりあがめている今、大切なのはスピリチユアル(精神的) なもの
ではないかと思います。母親にエルウッドは“賢い人"かメ“優しい人"を選びなさいと言われ、『とっても優しい人』を選びますが、そこにテーマを感じます。子供の心を持つ紳士、エルウッドを通して、「ハーヴィーからの贈り物」を皆さんにお届けしたいと思います。

 


【2006 年東京公演 感想文より】
・寺泉さんの「見えないものJ」をそばに自然に居るかのようにテンポ良く演じられていたことが安心して観ていられたし、心地よく感じられた。そして何より自然であたたかみのある劇となっていて良かったと思う。
・夢があって酒落た大人の童話のような楽しい作品。皆リズミカルでいきいきしていました。私も優しい人になってハーヴィーと暮らしたい。ハーヴィーにすごく会いたい。
・前半は、馬鹿なことをここまで大真面目にやるとここまで面白いものだということを初めて知りました。特に人間の先入観だけを頼りに会話するシーンなどは外から見ていると面白いのに肉の人達は普通のことだと思っているところがとても興味をひきました。後半は、特に絵画の場面が好きでした。最後に一番感動したのは、人聞は何より大切なものは優しさということをお姉さんが気付いたときでした。この芝居でもらった「ハーヴィーからの贈り物」を大切にして生きていきたいです。
・二つの舞台セットでここまでお話がコミカルに進むなんて驚きと感動でいっぱいでした!!2時間で役者さんの演じているキャラクターがはっきりとわかつてとてもすばらしかったです。油絵に涙が出るほど笑いました
・言葉ひとつひとつは普通のはずなのにずっと笑いっぱなしe。目尻のシワが深くなった気がします。自に見えない友達、その友達がくれた様々なもの、とても心に響く作品でした。
・殺伐とした世相の中でこうした心豊かな明るく楽しいファンタジーにひたる贅沢は何ものにも代えがたいです。簡潔で美しい想定の中、最後までひきつけられた舞台でした。ありがとうございます。
・舞台がダウド家というセレブなお宅のお話で、それにふさわしい衣裳がぴったりでした。細部まで気を配った様子が舞台を盛り上げていました。グレッグさんの演出は癒しの時間をプレゼントしてくれます。


<キャスト> 

エルウッド・P・ダウド(ダウド家当主) 寺泉  憲
マートル・メイ・シモンズ(ヴェータの娘) 藤川 恵梨
ヴェータ・ルイーズ・シモンズ(エルウッドの姉)
木村 有里
エセル・ショーベネット(婦人) 葛城 ゆい
ルース・ケリー(看護婦) 佐藤 まり
マービン・ウィルソン(看護師) 高越 昭紀
ライマン・サンダーソン(医師) 佐藤  淳
ウィリアム・R・チャムレイ(院長) 川端 槇二
ベティ・チャムレイ 杉山美穂子
オマール・ガフニー(判事)  山田 登是
E・J・ロフグレン(タクシー運転手) 海宝 弘之

 <スタッフ>

メリー・チェイス
黒田絵美子
演出 グレッグ・デール
美術 皿田 圭作
照明 阿部 典夫
音響 小林  史
衣裳 外崎 里奈
舞台監督 竹内 一貴
制作 劇団NLT


関連サイト

劇団NLTウェブサイト http://www.nlt.co.jp/

高越昭紀さんブログ 高越昭紀の今日もバッチgoo 
http://blogs.yahoo.co.jp/koshimumu


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最終更新日 2009/06/17