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名演2005年7月例会 劇団1980公演 

素劇・あゝ東京行進曲
原作/結城亮一 脚色/藤田傳 演出/関矢幸雄

素劇・あゝ東京行進曲・里村孝雄さんのお話


7月14日(木)6時45分
    15日(金)1時30分
  6時30分

名古屋市民会館中ホール
 地図  
1 会費     
 月額 2600円 
 22歳以下  2000円  
 高校生以下 1300円

2 入会金 
 2900円 
 22歳以下  2300円 
 高校生以下 1600円


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5月31日
里村孝雄さんのお話を聞きました!
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昭和という時代を奔放に生き抜いた 歌姫・佐藤千夜子

 7月例会『素劇・あゝ東京行進曲』は、「素劇」という手法を使った作品です。
 演出の関矢幸雄が提唱する「素劇」とは、リアルな美術・衣裳・メイクを一切排除し、何もない空間の中で“見立て”を駆使した想像力豊かな表現様式です。
 装置は黒い箱と白いロープと俳優の肉体だけ。それを俳優たちが変幻自在に操りながら動き回り、時には俳優たち自身が舞台装置になりながら、あるときは教会に、またある時はグランドピアノに、作っては壊し壊しては作り、次から次へと激変する劇中の場面を構築していきます。また100名以上にものぼる登場人物、劇中に盛り込まれた当時の流行歌54曲余りも、わずか10数人の俳優達が歌い、演じていきます。
 1993年4月の初演以後、風刺とユーモアの効いた演出、かつまた実験的・先駆的な「素劇様式」が高く評価され、当年の読売演劇大賞・演出家部門優秀賞を受賞。その後全国各地で公演を繰り返しながら磨き込まれた作品です。
 名演でも1996年5月にダブル(選択)例会として上演され、597人が観劇、非常に高い評価を得た作品です。今回の公演は、大成功をおさめた昨年秋のブラジル公演を経て、大きな会場での上演にふさわしい歌唱力をつけて、よりパワーアップして登場します。ご期待下さい。

黒一色の舞台に、当時の場面が次々と色鮮やかに蘇る

 日本のレコード歌謡の草創期ともいうべき昭和の初頭、『波浮の港』『東京行進曲』『唐人お吉の歌』など、数々の大ヒットで一世を風靡した歌姫・佐藤千夜子。
 明治44年、母親に「通弁士になる」と約束しながら、14歳で山形県天童から上京したひとりの少女が、一躍“新民謡(現在の歌謡曲)の女王”の座にまで昇りつめ、そして流行歌手としての絶頂期に、オペラ歌手への転身を決意し単身イタリアヘ渡航。しかし4年後に帰国した彼女を待っていたのは、その歌声を望む声ではなく、戦争への道をひた走る軍国日本であった。戦時中は慰問団のひとりとして戦線を巡り、後年は転々と職を変えながら売り食い生活を送ることとなる。そして昭和43年の暮れ、癌に蝕まれながら、生活保護の身でひっそりと病死。71年の生涯を閉じたのである。
 栄光と凋落一波瀾に満ちたその生涯を編年体でたどりながら、急激に移ろっていった昭和という時代と、その中を奔放に生き抜いた佐藤千夜子というひとりの女性の生きざまを一気に描いた物語。
 



大成功をおさめた「素劇 あゝ東京行進曲』ブラジル公演 総会記念講演より

 今年の名演総会(2005年3月14日)の記念講演に劇団1980の俳優柴田義之さんをお迎えしました。
 
 柴田さんは、今村昌平監督率いる映画専門学校で藤田傳さんと知り合い、1980年に劇団1980の旗揚げに参加する。当時小劇団が雨後の筍のごとく結成され、またすぐ消えてゆく中でこの『素劇・あゝ東京行進曲』に出会ったことで、鑑賞会とかかわり合いを持つようになったいきさつが面白く語られた。
 また、柴田さんは日本人としては初めてブラジルへ文化庁から演劇研修生として派遣された。ブラジルでは様々な舞台芸術に触れたが、その中でも「弓場農場」(弓場勇さんという人が日本から入植する時にブラジルの大地に人間を解放する農場を作ろうと、農業と芸術の両立を目指した農場)でつくられた「弓場バレエ団」の公演をみて衝撃を受け、この感動を劇団員とわかちあいたいとブラジル公演を企画する。
 昨年11月から1ヶ月に及ぶ、『素劇・あゝ東京行進曲』のブラジル公演は、日本の23倍というブラジルを縦断する10ヶ所、11ステージすべて満員の観客で迎えられたという。初日のアマゾナス州マナウスの「アマゾナス劇場」での終演後の猛烈なブラボーの声とスタンディングオべーションから始まった旅公演はサンパウロやリオデジャネイロなどを回り、各地で大好評だった。
 昭和の初期華やかな脚光をあび、戦争で挫折していった歌姫・佐藤千夜子の物語は、「日本を出たところで日本がとまっている日系人」に喜んでもらえると思ったのだが、箱とヒモだけで表現するこの芝居は感覚的に受け止めるブラジル人にとっても好評であった。
 柴田さんは、その後、日本ではほとんど知られていないブラジルの演劇状況、軍事政権下ほとんどの芸術家はヨ−ロッパ等へ逃げたけれど演劇は言葉の問題があって逃げられない。それゆえに軍事政権下で演劇人が戦ったことでブラジルの演劇は一本芯が通っている等、ブラジルの現代演劇の動きなど、を語られ興味深い話でいっぱいであった。


<キャスト>


柴田義之里村孝雄加瀬愼一水口助弘山本隆世澤村壱番翁長諭上原弘之八代定治綾川新小出康統木之村達也則松徹澤純子上野裕子室井美可水井ちあき山田ひとみ

<スタッフ>

原  作

結城 亮一

脚  色

藤田  傳

演  出

関矢 幸雄

演 出 補

熊谷  章

照  明

中山  功

衣  裳

佐々波雅子

写  真

宮内  勝


関連サイト

劇団1980ウェブサイト http://gekidan1980.cool.ne.jp/

ラン・ザ・ハザード 綾川新さん ウェブサイト http://ayakawa.dip.jp/

四畳半女優日記
  四畳半アパート在住女優・山田ひとみさんウェブサイト
http://www.geocities.jp/donkimania_hitomi/


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最終更新日 2005/06/03