96. 数字と名前

私は数字をよく間違える。

「 Mariさん、この前の教室通信で18日はお休みっ

て書いていましたけど、その日はタブラオで踊られ

る日だから、25日のことですよね?」

生徒さんから、よく間違いを指摘される。

「最近ボケちゃって困るのよねー」と旦那につぶやくと

「お前は昔からボケとったから大丈夫やで。」と

慰めてくれる。

スペイン語の数字はさらにおかしくなる。

「大阪の家賃って平均いくらくらいなの?」と

スペイン人に聞かれた時

「うーん、場所によって違うけど、ドセ ミルくら

いかな?」 と適当に答えると

「えーーーーードセ ミル(12000)???そん

なに安いの?」 と驚かれる。

適当に答えて嘘になってはいけない、と反省する。

私は、数字に弱い上、名前にも弱い。有名なだれそ

れの名前をすぐ忘れてしまうし、単語を言い間違え

ることもしょっちゅうだ。

いつだったか、スペイン人の友達とレストランに行っ

た時、イカの鉄板焼きの写真をみて

「これ何?」と聞かれたので

「カマレロ ア ラ プランチャ」と真顔で答えたら

「Mariは、ウエイターを焼いて食べるのか?」と大

笑いされてしまったことがある。そう、イカはスペ

イン語でカラマル(複数形はカラマレス)で、ウエ

イタ−はカマレロと言うので、カマレロ ア ラ 

プランチャは、ウエイターの鉄板焼という意味に

なってしまう。単語が似ているから仕方がない。

語学というものは、こうやって恥をかきながらモノ

にしていくのだ。

私の母も名前に弱い。

「この前公演で来日していたオヨヨさんがテレビに

でていたわよ。」

「オヨヨ?知らないわ、そんな人。」

「あら、オヨヨさんよ。知らないの?すごく有名な

人だって、テレビで言っていたわよ。」と、私のこと

をバカにした。

「ちょっと待って。それって、もしかしてクリス

ティーナ・オヨスのこと?」

そう、母はオヨスのことをずっとオヨヨと思ってい

たらしい。さすが私は母の子だ。

2003.01.26.

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