
94. リズム感は鍛えれば良くなる
フラメンコを習いだして、最初は誰もが当たる壁、
それはリズムではないだろうか?
私がフラメンコを習い始めて2年目くらいの時、
コントラティエンポ(裏の音)のリズムを打てない
のが最大の悩みだった。クラスのみんなは出来る
のに、私は出来ず、先生によく注意された。自分の
リズム感のなさに、ただ落ち込むことしか出来な
かった。そんな私に、クラスの友達がカード式の
メトロノームをくれた。
「私も同じものを買ったの。これで練習したらきっ
と良くなるよ。」
友達の気持ちに胸が熱くなった。
その日から、このメトロノームを首にぶらさげて、
毎日コントラティエンポを練習をした。車で通勤
中は信号待ちをしている時、会社の更衣室では誰も
いない時、トイレで、駐車場で、家では料理しな
がら、食器を洗いながら、ただひたすら練習をくり
返す毎日だった。最初の内は、コントラティエンポ
をきちんと打てているのか、正しいのかさえも、
よく分からなかった。 そんな私にも、練習の成果は
次第に現れてくる。ここだ!という瞬間を掴めてく
るのだ。この喜びは、同じような経験をしたものに
しか分からないだろう。 後でわかったことだけど、
コントラティエンポの練習をする前に、アティエン
ポ(表の音)の練習をしないといけない。アティエ
ンポがきちんと打てていなければ、コントラティエ
ンポがきちんと打てるはずがない。一見、自分は
アティエンポが打てていると思っていても、打てて
いないことが多いのだ。
また、リズム感は日々鍛えていないと、鈍ってくる。
毎日リズムの稽古を続けたある時、達成感が生じて
稽古をやめてしまったことがある。1ヶ月くらい過
ぎてギタリストとエンサージョをしている時に、
「最近パルマの練習をしていないだろ?」と聞かれ、
ドキッとした。 「・・・何で分かるの?」野暮な
返事を返した愚かな私。
そう、稽古を怠るとリズムが鈍るのだ。本当に。
リズム感はきちんと訓練すれば、必ず改善される。
毎日少しづつコツコツと続けると、今まで聞こえな
かったリズムが聞こえるようになってくるのだ。
継続は力なり。
こうして私は、毎日パルマの練習に明け暮れている。
2002.11.25.
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