92. スペイン人はゴールドがお好き?

数年前、母親と親戚の叔母達を引き連れてスペイン

旅行に行った時、マドリッドの町中で、ゴールド(金)

好きな叔母が突然騒ぎだした。

「スペイン人って、どうしてあんなにゴールドを身に

付けているの?ほら、あの人を見てよ。ネックレスを

何本もして、ブレスレットもあんなにして、あっ、

あっちの人もすごいわ!ねぇ、きっとゴールドが安い

のよ。私達もゴールドを買いに行きましょう!」

そう言われてみると、日本に仕事でやってくるスペイ

ン人の友達が、よくお土産に18金のアクセサリーを

買っていたことを思い出した。

「スペイン人って、ゴールドがすごく好きなんだね。」

私は今年の3月まで、ただ単純にそう思っていた。

それが、セマナ・サンタをスペイン人の家族と過ごし、

ヘスー(キリストのこと)の歴史を教えてもらった時、

このゴールドの謎が解けたのである。

スペインでは、子供達がクリスマスプレゼントをもら

うのは1月6日のレジェス・マゴの日で、アメリカや

ドイツの12月25日と日にちが違う。また、アメリカ

などではサンタクロースがプレゼントを運んでくれる

ことになっているが、スペインでは、レジェス・マゴ

と呼ばれるオリエント地方からやってきた3人の博

が一般的のようだ。これは、レジェス・マゴが、キ

リスト誕生の時に、オリエント地方から貢物を持ってき

たという逸話からきている。そして、その貢物のひとつ

ゴールド(金)であり、信仰心の強いスペイン人に

とって、ゴールドを身につけることは、とても重要な意

味を持っていると聞かされたのだ。

そんな深い意味があるとは知らず、ただ単純に「ゴール

ドが好きなのね。」と考えていた自分が恥ずかしい。

 

追記:ゴールドのことをスペイン語でオロ(oro)と言う。

ここでは、分かりやすくゴールドという言葉を使った。

スペインでは、レジェス・マゴが子供たちにプレゼン

トを運んでくるのは1月5日の夜で、この日に盛大な

レジェス・マゴのパレードがある。そして、次の日つま

り1月6日に、子供達はプレゼントをもらえるというわけだ。

 

2002.10.14.

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