90. ドキュメントの意図

ここには私が書きたいことのごく一部しか書いて

いない。フラメンコの仕事で嫌なことがあったり、

意地悪をされても、絶対に書かないことをモッ

トーにしている。特に信頼関係のない人のことは

書かない。

今回、このドキュメントで私の身の上に起こった

ことを包み隠さず書いたのは、それなりの考えが

あったからだ。

毎年行われる新人公演では、私と同じような経験

をする人がいつもいるという事実を知り、いつま

で経っても解決しないこの問題と、華やかな面ば

かりがクローズアップされ、舞台に立つには想像

以上の努力が必要だということを、私は書かずに

はいられなくなった。家族にも、友達にも、生徒

さんにも話さなかったことを、ここまで書くには

かなりの勇気が必要だったことを知って欲しい。

そうすることが、このサイトの役割だと考えたか

らだ。

舞台裏のこと、事前に知っていれば防げたかも

しれないハプニング、舞台に立つということは

そんなに生易しいものではないということを、

これから経験するであろう人達に、いろんなこ

とを感じて欲しかったし、知っておいて欲しい。

もし、ギタリストと和解せず、仲たがいしたら、

このことは書かなかった。彼のことを信頼し、

アーティストとして尊敬しているからこそ書け

た内容なのに、私の書き方がまずくて、彼の印

象を悪くしてしまい、一部の方々に誤解を招く

結果になったことは、深く反省しています。

これを書いたことで、お叱りを受けるかもしれ

ないという覚悟はあったけど、私が想像してい

たのとは違う反応もあったので、自分の伝えた

いことをきちんと伝える難しさを痛感させられた。

ドキュメントを書き直すかどうか悩んだけど、

ギタリストを非難しようと思って書いたものでは

ないので、このままにしておきます。どうか、

ご理解下さい。

最後に、新人公演で奨励賞が取れなかったのは、

私の踊りのレベルがまだまだということを自覚し

ているし、この経験をバネに、これからも精進し

ていきたいと思っています。

2002.09.04.

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