
東京の発表会が終って、次の目標が明確に見えなくなる
と、練習のテンションがガクンと下がってしまった。
これではいけない、どうしたらいいだろう、と日々悩ん
だ。毎月の東京通いは金銭的にも肉体的にもつらかった。
それに、それ以外の時間をただひとり黙々と自習するの
もハリがなくなってつまらない。約1ヶ月悩んだ末、自分
の住む関西の教室にも習いに行きたいという気持ちが生
まれた。そして最近独立して活躍している神戸のピアッツ
ァ・ナオミさんに興味が湧いてきた。もちろん、東京にも
毎月とはいかないけど習いには行きたい。かけもちで習う
のはどうだろう? でも、関西のほとんどの教室は「他所
の教室とかけもちは駄目、仕事(フラメンコ)もしちゃ
駄目」という所が多く、中には「他所のスタジオで練習
禁止(何故?)」という理解不能な教室もあるらしい。
とりあえず、東京の美香先生にかけもちで習いに行って
いいか相談してみた。
「そこに習いに行くことでMARIちゃんの踊りが上達する
なら、すぐにでも行きなさい。」 美香先生のありがたい
言葉をもらって、すぐピアッツァ・ナオミさんに電話し
てみた。そして、かけもちで習いに行っていいか聞いて
みた。 「かけもちですか?もちろんいいですよ。その方
が勉強になりますからね。」あまりにもあっさりと、当
り前のように了解をもらえて拍子抜けしてしまった。
こうやって、両氏の了解のもと、東京と神戸への二重
レッスン生活がスタートした。
ナオミ先生には、クラスレッスン以外に、仕事でも使え
るような振付けを個人レッスンでして欲しいとお願いし
た。「どんな曲を振付けして欲しいですか?」と聞かれ
たので、アレグリアスをとお願いした。そしたら「アレ
グリアスを習ったことないんですか?」と少し戸惑った
表情で言われた。「もちろんありますよ。他の教室で3
回ほど習ったけど、群舞用の簡単な振付けですよ。」
ここで私はふと思った。「あの、もしかして先生がクラ
スレッスンで教えている振付けって、群舞用ではないん
ですか?」「はい、私が仕事用に使っている振付けをほ
とんどそのまま教えてますよ。」この答えに、私はびっ
くりした。私が今まで習ったアレグリアスは、どれもと
てもシンプルで同じようなマルカールが何度もでてきて、
ソロで踊るにはちょっと見栄えのしない振付けだった。
それを教えてくれた先生も、仕事では別の振付けで踊っ
ていたし。もちろんシンプルな振付けを格好良く踊れな
いといけないと思う。でも、振付けが良ければ踊り手を
活かしすことができる、と私は確信している。自分の持っ
ている振付けをクラスレッスンで惜気も無く教えるナオ
ミ先生をすごいと思う。習いに来て正解だぁ。
2000.10.23.
|