発表会の5日前に、ギタリストの人に来てもらって個人

レッスンを受けることになっていた。それが当日、先生

は仕事の都合で時間通りに行けないので一人でやってて、

と言われてしまった。どうしよう。。。ギタリストと二人

きりで何をしたらいいんだぁ?考えてみれば、今まで2回

くらいギタリスト付きで個人レッスンを受けたことがあっ

たけど、先生が全部踊りの指示をだしてくれたので私は

言われたとおり踊っていればいいだけだった。けど、今

回は違う。まぁ、焦っても先には進まないのでとにかく

最初から踊ることにした。そしたら、いつもおとなく弾

いていたギタリストの人が、「そこの3連のリズムがちゃ

んとはまってないよ。」「コントラがちょっと重いな

ぁ。」という具合に、いろいろアドバイスを言ってくれ

た。自分では気付いていなかった微妙なリズムのズレや、

タコンが遅いとか、2拍3連のリズムがちゃんとできてい

ないなど、指摘をしながら丁寧にギターを弾いてくれた。

このレッスンのお陰で私はリズムに対するとらえ方が大き

く変わった。今まで上手に踏めなかったエスコビージャの

リズムの要領をつかみ、耳によく入ってこなかったギター

のメロディーも素直に聞けるようになった。 フラメンコ

はバイレとギターとカンテの3つが揃ってはじめて成り

立つ。この3つを結ぶのはリズムだ。リズム感が一番しっ

かりしているギタリストと一緒に練習してリズム感を養う

ことがこんなに重要だとは知らなかった。私は今までフラ

メンコの表面的な部分しか見ていなかったんだと深く反省

した。

だから最後の数日間は練習の仕方も変わったし、気合いも

入った。発表会の前日の最終リハーサルでは、ギタリスト

とカンテの人に「すごく良くなったよ!」と褒めてもらえ

て、それまでの苦労や肉離れ(発表会の10日前に右袋は

ぎをやってしまった)の痛みも忘れるぐらいだった。

あ〜この達成感がたまらなくいいのだ。

そして遂に発表会の当日がやってきた。バックの皆(ギ

ター、カンテ、パルメロ)に支えられて、自分の持てる

力を100%だせて踊れたと思う。後でビデオで自分の踊

りを見たら、まだまだ直さないといけないところをたく

さん発見したけど、それでも3ヶ月前の自分のレベルを

考えたらずいぶん成長したなぁと思う。それと、パルメ

ロとして先生達と一緒に舞台に立たせてもらって、この

経験も私の成長を大きく助けたと思う。舞台経験を積む

ことの重要性を身体で感じた発表会だった。

2000.10.12.

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