09.
セビジャーナス

セビジャーナスとは、お祭りの時によく踊られる三拍子系の曲種です。
「セビジャーナス」は曲名ではなく、形式みたいなものです。「セビジャーナス」に限らずフラメンコは、はっきり決ったメロディーや歌がないのです。ですから振り付けもこれという決まったものがありません。
しかし他の曲種に比べて「セビジャーナス」は歌の長さや構成が明確に決まっているので、初心者でも踊りやすく、日本では最初にこれを習うことがポピュラーになっています。
これは教室によって振り付けは様々で違いますが、どれが正しいとか比べるものではありません。振り付けが違ってもパサーダ(すれ違うパート)の部分が決まっているので、必ず合います。

毎年4月に行われるスペインアンダルシア地方セビージャのフェリア・デ・アブリル (春祭り)で、このセビジャーナスが踊られることが有名です。1週間毎日毎晩カセー タ(豪華なテント)の中で歌ったり踊ったりするのを見ているだけで楽しめます。普通カセータの中には入れませんが、一般の人でも入場可能なカセータもありますので、 そこで運がよければスペイン人と踊ることが出来ます。とても楽しいですよ!

さて、まずは「セビジャーナス」という形式の構成を覚えましょう。構成が分かっていると振りを覚えるのが早いからです。
リズムは3拍子系で、基本的には1コンパス3拍でカウントしますが、教室によっては1コンパスを6拍でカウントするところもあるようです。
アセント(アクセント)は頭の1です。
歌は4番まであります。
1番の歌の構成は3つのパート分かれ、その間にパサーダとパソ・デ・セビジャーナスが入ります。

*** セビジャーナスの構成 ***

1. まずギターの前奏

2. 歌が始まってからカウント  3コンパス聞いて

3. 4コンパス目から踊りだし
   パソ・デ・セビジャーナス 2コンパス

4. パソ(ステップ) 最初のパート<1> 8コンパス

5. 14コンパス目 パサーダ(パートナーとすれ違う) 2コンパス

6. 16コンパス目 パソ・デ・セビジャーナス 2コンパス

7. 18コンパス目 パソ(ステップ) 
   二つ目のパート<2> 8コンパス

8. 26コンパス目 パサーダ(パートナーとすれ違う) 2コンパス

9. 28コンパス目 パソ・デ・セビジャーナス 2コンパス

10. 30コンパス目 パソ(ステップ) 
   最後のパート<3> 8コンパス

11. 38コンパス目 ブエルタ(回転)の準備

12. 39コンパス目 ブエルタ(回転)

13. 40コンパス目 2拍目で決めのポーズ

これが基本の構成です。 しかし、踊りだしが3コンパス目の3拍目から始まったり、歌がうねってカウントがか けられないことがあったり、最初は難しいと感じることがあります。でも焦らないで! 私も最初は踊りだしがどこだかさっぱり分からず、苦労しました。
それが、慣れてくると自然に分かるようになってくるから不思議です。習うより慣れろ!と言われるように、本当に慣れで分かるようになってきますから、とにかく曲をよく聞くことです。そして楽しんで下さい。

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