08.アレグリアス

私はセビジャーナスを習った後、アレグリアスを習いました。日本の教室では、セビジャーナスをマスターした後はアレグリアスファンダンゴ・デ・ウエルバを習うのが一般的のようです。(ドイツの教室では、いきなりシギリ−ジャをやったりするから驚きです) しかし、フラメンコのリズムや構成を全く知らなかった私は「エスコビージャって何?」「シレンシオって???」と、よくパニックに陥りました。

アレグリアスソレアと並ぶ、フラメンコを代表する明るい曲です。フラメンコを習っている人なら一度は踊ったことのある、そしてたいていの公演で見ることができる、重要なレパートリーです。

アレグリアスはスペイン語の「喜び(alegria)」を意味する名前からきています。私は最初、アレグリアスは踊りの曲名だと思っていました。でもそれは違います。 アレグリアスとは、曲名ではなく、形式みたいなものです。ここでは、オーソドックスな形式を紹介します。

1. イントロ(ギター)
2. サリーダ(歌)
3. 踊り出し
4. 歌振り
5. ジャマ−ダから追い込み静止
6. シレンシオ
7. ジャマ−ダ
8. カステジャーノ
9. ジャマ−ダをかけて静止
10. エスコビージャ
11. 追い込みからジャマ−ダ
12. ブレリア
13. 追い上げからジャマ−ダをかけて終了

これはあくまでも一例です。歌振りが二つあったり、シレンシオが省略されたり、いろんな構成で踊られます。また、アレグリアスは歌の長さも決っていません。
フラメンコ舞踊は、そもそも明確に決った構成がありません。そればかりか、はっきり決ったメロディーや歌がないのです。クラシックバレエだと、振付けはほとんど決まっているようですが、フラメンコ舞踊は決っていません。ですから、練習生がフラメンコCDを聞きながら教室で習った振付けを踊ろうと思っても、それがぴったり合うことはないのです。

アレグリアスは上記のような構成で踊られることがよくあります。しかし、フラメンコを深く追求する者にとって、型にはまることは邪道です。ですから、踊り手の好みやセンスでいろんな構成で自由に踊られるのです。これがフラメンコの面白さでもあり、難しさでもあるのです。

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