１． 浦 和 か ら の 温 泉

1-56 渋温泉『御本陣 つばたや旅館』

渋温泉『御本陣 つばたや旅館』は、信州松代藩真田家の本陣を仰せつか
っていた由緒正しき旅館である。
某ガイドブックに、『渋温泉を旅するなら「つばたや旅館」のような宿に泊ま
りたい。』と書いてあった。

佐久間象山、若山牧水、夏目漱石など、多くの著名人も訪れている。
夏目漱石は、大正元年の日記に次のように書いている。
大正元年8月26日、月曜。渋・・・・二、三間の道路の両側の二、三階相対
して話が出来そうな風流。女が四、五人手すりに寄りて下を見る。
28日、水曜。津幡屋(つばたや)の二階へこっちから持って行った鳥をひろげ
て朝鮮の石鍋で食ふ。


 【写真＝右＝『つばたや旅館』前景 2002.4.28撮影】


『つばたや旅館』の現在の建物は、明治初期に立てられた木造３階建ての
風情のある建物である。

そして、特筆物なのは、家族風呂だ。
まるで、奈良時代か何かのお寺のお堂のような建物なのだ。
二階の部屋から階下の中庭の中にある「家族風呂」と書かれた浴舎に行く
には、急な階段を下りていくが、先客がなく貸切りが出来るか否かは、階段
への出口の所にスリッパがペアで置いてあるか否かで分かるのだという。
「うちの貸切りの利用の仕方は分かり易いです。これで皆さんうまく利用され
ていますよ！」とは女将さんの話である。
中を覗いて写真をとらせて頂いた。こじんまりとして、大人二人が入ったら、
いっぱいの湯舟である。
先客が利用した直後か、湯船からは湯が溢れ出た後らしく、小さな木の浴槽
に新しい湯が音を立てて落ち込んでいた。



 【写真＝右＝『つばたや旅館』家族風呂の建物  2002.4.28撮影】


内風呂はタイルの浴槽だが、泉質がいいのだろう、実にいいお風呂という実
感である。
女将さんの話では、渋温泉は湯量はとても多いのだが、土地が狭く、これ以
上建て増ししたり、新たな旅館を建てたりは難しいという。

確かに、夏目漱石ではないが、二階の窓を開けると道を歩く宿泊客の往来が
手に取るように見え、隣の旅館の窓が開けば、隣同士話が出来そうなくらい
に近くである。




 【写真＝右＝『つばたや旅館』家族風呂入口 2002.4.28撮影】







   小さ目ながら、とても趣のある家族風呂(貸切り制＝宿泊客無料)である。

  （木製の浴槽にふさわしく洗い場も板張りというのがいい！）






 【写真＝右＝『つばたや旅館』家族風呂 2002.4.28撮影】

（１） 交通

【マイカーの場合 】
練馬IC 〜 関越道 〜 藤岡JCT 〜 上信越道 〜(更埴JCT) 〜 上信
越道 〜 信州中野IC 〜 志賀中野有料道路.R292 〜 渋温泉着
・・・・・所要時間約3時間

【鉄道利用の場合 】
東京 〜 新幹線「あさま」1時間19分 〜 長野 〜 長野より「長野電鉄」
湯田中行き特急38分で湯田中下車／(バス乗り換え)／湯田中より「上
林行き」バス7分渋温泉入口又は渋温泉和合橋下車


 【写真＝右＝『つばたや旅館』内湯 2002.4.28撮影】

（２） 温泉案内

      渋温泉『御本陣 つばたや旅館』

  【写真＝右＝『つばたや旅館』夕食(部屋出し) 2002.4.28撮影】 

�@ 住 所 ＝ 長野県下高井郡山ノ内町平穏２０５２


�A 電 話 ＝ 電話：0269-33-2165


�B 日帰入浴 ＝ 不可

�C 温泉施設 ＝ 内湯２（男女別）、家族風呂１（貸切り制）


�D 宿 泊 ＝ １泊２食 （平日）9,000円〜 （年末年始）10,000円〜
※夕食は部屋出し。朝食は原則「食事処」。


�E セースルポイント
昔ながらの懐かしい温泉街。のんびりと、温泉という文化をじっくり味
わうための温泉街がここにあります。

「歌恋温泉」へようこそ・・・渋温泉がＮＨＫ“土曜特集ドラマ”の舞台に
なりました。
祐一役三浦友和の最後の台詞“放れる人は住む人に癒され、住む人
は訪れる人に癒される。それこそ人生、人は人が温める…”の言葉に
感激！
「渋はどこを撮っても絵になる。渋のいいところは、全部撮ったつもりで
す。」とはＮＨＫの松岡監督の話。
◆“歌恋ギャラリー”が渋温泉温泉街に近日中にＯＰＥＮ！
実際に撮影に使用された大道具、小道具、写真パネルなど多数を展
示予定。
・・・・・・放映ＮＨＫ．平成１３年３月３日

（３） 共同浴場の案内

    外湯めぐり

�@ 住 所 ＝ 長野県下高井郡山ノ内町渋温泉


�A 問合せ先 ＝ 「渋温泉旅館組合」電話：0269-33-2921


�B 外湯めぐり ＝ 渋温泉は、外湯(共同浴場が９つある)には宿泊客で
ないと入浴できない仕組みになっている。
宿泊客は、無料で入れる。
なお、各旅館では、「外湯の鍵」を宿泊客に１部屋毎に１個用意して、
外湯の入浴用に渡してくれる。

       【写真＝右＝『渋温泉 大湯』(九番湯＝結願湯) 2002.4.29撮影】  

             







 


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