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2−37 明治時代を再現の六角風呂の『霧積温泉 きりづみ館』
森村誠一の小説「人間の証明」に引用された、詩人「西条 八十」の「帽子」の詩に登場する「霧積温泉」とは、どん なところだろうか? 何かとよく話題に出る温泉だが、一度も行ったことがなか った。 「秘湯中の秘湯」というイメージに少し恐れていたのかも 知れなかった。 近くに、旧国鉄の「信越本線」の線路として使われていて、 今は廃線となった「めがね橋」や「碓氷湖」などの立ち寄 ってみたいところもいろいろある。 そして、登山としては、上信越国境に異様な山容を見せて そびえている「鼻曲山」にも登って見たいと、2005.4.24 に日帰りでチャレンジした。 「上信越自動車道」を「松井田妙義インター」で降り、国 道48号経由、県道56号を走り、「霧積温泉 きりづみ館」 の駐車場に駐車させてもらった。 前日、「下山後日帰り入浴するので、車を止めさせてもら ってよいですか?」と聞いたら、「はい。」との返事とも に、「入浴の600円ですが、入浴のみは休憩室がないから、 1600円でお部屋を使えるから、登山で疲れた人はそれがい いですよ!」とのこと。 それで、部屋も予約して登山に向かった。
帽 子 西条八十先生 作 --母さん、僕のあの帽子、どうしたでせうね? ええ、夏碓井から霧積へ行くみちで、 渓谷へ落としたあの麦稈帽子ですよ。 --母さん、あれは好きな帽子でしたよ。 僕はあのとき、ずいぶんくやしかった。 だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。 --母さん、あのとき、向うから若い薬売が来まし たっけね。紺の脚絆に手甲をした---。 そして拾はうとしてずいぶん骨折ってくれま したっけね。だけどとうとう駄目だった。 なにしろ深い渓谷で、それに草が 背丈ぐらい伸びていたんですもの。 --母さん、本当にあの帽子どうなったでせう? そのとき傍に咲いていた車百合の花は、 もうとうに枯れちゃつたでせうね。そして、 秋には、灰色の霧があの丘をこめ、 あの帽子の下で毎晩きりぎりすが鳴いたか も知れませんよ。 --母さん、そして、きっと今頃は、--今夜あたりは、 あの渓間に、静かに雪が降りつもっているでせう。 昔、つやつや光った、あの伊太利麦の帽子と、 その裏に僕が書いた Y・Sという頭文字を 埋めるように、静かに、寂しく--。
詩の筆写は、「きりずみ館」の玄関先の看板から (2005.4.24)
○ 交 通
(マイカー) ・外環「戸田西IC」〜上信越自動車道「松井田妙義IC」 〜国道18号経由 〜 県道56号線 〜 霧積温泉 【参考】戸田西IC〜霧積温泉=3時間弱(上里SAの休 憩を含む)
○『霧積温泉 きりづみ館』の案内
写真は、「きりづみ館」の六角風呂(2005.4.24撮影) この六角風呂(内湯)は、午後9時に男女が入れ替 わる。日帰りの場合、下山後の入浴時間(午後2時 頃)に六角風呂が男子の入浴になるのは1日置き。
@ 営業時間
A 料 金
B 温泉施設
C セールスポイント
D 住 所
E 電 話
浅間山や妙義山の展望台は『鼻曲山の小天狗』
◆「鼻曲山登山」(1,654m)のコースタイム
「霧積館」前発08:25 〜 鼻曲山登山口(「金湯館」分岐) 08:45 〜 Тの字標識(山頂へあと3キロ)09:15 〜 鼻曲山山 頂着(大天狗)1055 【注】山頂で昼食=インスタントラーメン。 食事用飲料水(2人分)=2リットル、登山用飲用水(1人 分1リットル) 下山開始12:00 〜 鼻曲山登山口(「金湯館」分岐)〜 きり づみ館着13:50 ◆「鼻曲山登山」の地図を忘れて、「きりずみ館」のおばさん に道を聞いたら、「案内の看板が出ているし、昨日沢山登っ ているから道に迷うようなところはないよ!」とのことで、 安心して登ったが、展望に優れず、浅間山は木の枝の陰で写 真にならなかった。 帰宅後に地図を調べたら、どうも、大天狗よりも少し離れた 小天狗という頂の方が眺めがよいらしく、そこから浅間山や、 妙義山がよく見えるらしい。 旅館も「金湯館」にも未練があるし、紅葉の頃にでも「小天 狗」を制覇しないことには、片手落ちの登山のようである。
『めがね橋』
※「めがね橋」の問合せ先 松井田町商工観光課 電話027-393-1111