2. おすすめの秘湯

◆◆◆◆◆ 『鉛温泉 藤三旅館』 ◆◆◆◆◆


2−34 「小説・銀心中」の舞台『鉛温泉 藤三旅館』

田宮虎彦の「小説・銀(しろがね)心中」の舞台となった『鉛温泉
藤三(ふじさん)旅館』は、岩手県花巻市の秘湯中の秘湯である。


写真は、「欅造り三階建ての建物」(2003.7.20撮影)

作家・田宮虎彦は藤三旅館に一カ月あまり逗留して「小説・銀(し ろがね)心中」を執筆したという。 田宮虎彦が泊まったのは玄関上の三階部屋だという。 昭和16年建築の木造三階建ての建物は、独特の風格と風情を感じ させる。


写真は、「白猿(しろざる)の湯」の全体(2003.7.20撮影)

白猿の 立ち湯深くて 湯は熱し

今から約六百年前、一匹の白猿が、木の根元から湧き出す泉で手足の 傷を癒しているのを藤三旅館の先祖が見て、これが温泉であることを 知り、それで「白猿(しろざる)の湯」と呼ばれるようになったとい う。


写真は、「白猿(しろざる)の湯」の部分(2003.7.20撮影)

小説の 銀(しろがね)温泉 忍びつつ

地下にある「白猿の湯」は、岩の間からこんこんと透明のお湯が湧 き出し、大きな楕円形の湯舟に溢れている。 「白猿の湯」は深さ1.25mの立って入る珍しい温泉(立ち湯) である。 身長1.67mの筆者が、立って入って、一番深いところで顎(あ ご)スレスレまでお湯が来てしまった。 浅いところでも、胸の上まであったと思う。


写真は、「龍宮(りゅうぐう)の湯」(2003.7.20撮影)

「龍宮(りゅうぐう)の湯」 、明るい湯殿で外の眺めもよい。 時間によって、男女が入れ替わる。


写真は、展望風呂「河鹿(かじか)の湯」(2003.7.20撮影)

展望風呂「河鹿(かじか)の湯」、豊沢川のせせらぎを眺めながら 入れる。


写真は、展望風呂「白糸の湯(アトミック風呂)」(2003.7.20撮影)

白糸の 滝を眺めつ 湯治かな

展望風呂「白糸の湯(アトミック風呂)」、浴室を取り巻いている 窓から豊沢川の清流と白糸の滝が見渡せる。 大理石とタイル張りの広い浴室である。


写真は、「白糸の滝」(2003.7.20撮影)

「白糸の湯(アトミック風呂)」から見た「白糸の滝」。 豊沢川に白糸の滝が落ちる様が「アトミック風呂」に居ながらにし て見渡せる。 浴室の前には、「アトミック風呂」の看板しかない。 時間によって、男女が入れ替わる。

 交 通   (マイカー) ・東北自動車道浦和IC〜花巻南IC〜国道12号経由〜鉛温泉 ◆「鉛温泉」は花巻南I.Cより、20分 ◆「浦和IC」〜「鉛温泉」は、トイレ休憩を入れて、約6時間30分。


【注】花巻南インター: インター周辺「詳細図」はこちら!!(『鉛温泉 藤三旅館』→ 「交通の御案内」)


(電車 + バス) ・東京 → 新花巻(新幹線) 約3時間 ◆新花巻駅から「新鉛温泉行バス」にて「鉛温泉」下車。約50分(本数は少ない!)。

『鉛温泉 藤三旅館』の案内 @ 営業時間

A 料 金

B 温泉施設 ※内湯 ・・・男女別3(時間制で男女切り替え) ※岩風呂・・混浴1(立ち風呂。深さ1.25m) 【注】この岩風呂が名物の「白猿(しろざる)の湯」である。

C セールスポイント 秘湯中の秘湯というに相応しい温泉で、湯治部屋が なんと100室、旅館部も40室もある旅館である。 名物の水深の深い(125cm)お風呂は混浴となっていて、浴室も3階部分 からの深い吹き抜けの底にある。「日本一深い岩風呂(白猿(しろざる) の湯)」が「うたい文句」である!      

D 住 所

E 電 話




『鉛温泉 藤三旅館』の食事



★写真は、1泊2食 平日5,980円、休前日10,000の食事。 これで、十二分であった!! 美味しかったです。ごちそうさま!!

写真は、『鉛温泉 藤三旅館』の夕食(2003.7.20撮影)



写真は、『鉛温泉 藤三旅館』の朝食(2003.7.20撮影)






◆写真で見る『鉛温泉周辺の観光スポット』


◆『豊沢ダム(豊沢湖)』


豊沢ダム(豊沢湖)は、 農地の用水源として昭和16年に着工され、 昭和37年に完成したダム湖。行楽地としても整備されている。 ◆花巻南ICから車で30分。鉛温泉から車で10分。


       【写真=右=『豊沢ダム』放水】・・・(2003.7.21撮影)



『豊沢ダム』から豊沢川に大量の水が放水されているところを見た。 物凄い迫力であった。













       【写真=右=『豊沢ダム(豊沢湖) 』・・・(2003.7.21撮影)



周囲には、県立野外活動センター(キャンプ場、キャビンなどを整備) や豊沢湖園地キャンプ場、遊歩道などがあり、自然を満喫できる。

















◆『宮沢賢治記念館』とその周辺の観光


       【写真=右=『宮沢賢治記念館』入口の案内】・・・(2003.7.19撮影)


宮沢賢治記念館は館内撮影禁止のため、残念ながら写真がない。
◆宮沢賢治記念館案内 ・所在地  〒025−0011 花巻市矢沢1−1−36 ・交通 (電車)東北新幹線、JR釜石線新花巻駅から2km、徒歩25分、 ※「新花巻駅」から車で3分。 ※「新花巻駅」から花巻駅、イトーヨーカドー行バスで、宮沢賢 治記念館下車徒歩5分 (マイカー)東北自動車道花巻ICまたは花巻南ICより9km、車 で20分 ・電話 0198−31−2319 ・開館時間 午前8時30分〜午後4時30分(3月〜11月) 午前9時〜午後4時30分(12月〜2月) ・休館 12月28日から1月1日 ・入館料 一般(個人)350円


       【写真=右=『宮沢賢治記念館』内のレストラン「山猫軒」】
        ・・・(2003.7.19撮影)


ここが、かの有名な注文の多い料理店「山猫軒」である! 『宮沢賢治記念館』で、『多い料理店』の童話の予備知識を得て から来店すると興味津々!
















◆花巻で見つけた美味しい蕎麦屋『なめとこ山』


        宮沢賢治童話村のすぐそばに美味しい蕎麦屋がある。
        その名は「なめとこ山」。童話さながらの店の名前に、
      「珍しい名前だなぁ!」と名前と風情のある店先に惹かれ
      て初めての店に入ったのであるが、手打ち蕎麦の美味しさ
      に大満足!



店内には 名物の「小十郎そば」の説明書きがあり、自 家製粉・石臼挽きの粉だけを使って打った蕎麦で、宮沢賢 治の童話「なめとこ山の熊」の主人公より、名前もらって 「小十郎そば」と名付けたとか。 一切つなぎを使っていない「十割そば」の他、「山猫す いとんセット」や、季節の食材を使ったメニューなどもあ り、なかなか情緒もたっぷりの店であった。 自家製粉の店なので、そば粉がなくなり次第閉店するこ とがある。

※ 住 所 〒025-0014 岩手県花巻市高松 26-26-43 ※ 電 話 0198-31-2271 ※ 営業時間 11:00 〜 19:00 ※ 定休日 水曜日





◆陸中海岸国立公園『浄土が浜』



         陸奥・陸中・陸前の3つの地区のことを「三陸」と言う。
        三陸海岸を陸中海岸とも言うが、これは、この地域を国
      立公園にするために活動した際、陸中にあたる宮古の「浄
      土が浜」を中心に活動し、その結果「陸中海岸国立公園」と
      いう名称になったからである。

 

夏の浄土が浜。青い海に白い砂、そして松の緑、これぞ 「白砂青松」の景色さながらの風景である。「陸中海岸国 立公園」のリアス式海岸は、水墨画のような光景であった。



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◆小説と映画になった『銀(しろがね)心中』に出てくる『銀 (しろがね)温泉』は『鉛温泉』だった!


「鉛温泉」の「藤三(ふじさん)旅館」という古くからの老舗旅館、私は、 そこに宿泊して、「鉛温泉」が小説「銀心中』」(田宮虎彦作)に出てくる 「銀(しろがね)温泉」のモデルになった由緒ある旅館だと知り、インタ ーネットで調べてみましたら、何と、この小説は映画にもなっていたので す。 『映画 銀(しろがね)心中』のホームページはこちら!
◆そして、帰宅してから「小説」の原作を読み、映画のあらすじの何倍も感  動しました。 (田宮虎彦の小説のストーリー性の上手さに感動したのです!) しかし、なんと、最後の場面が小説の原作は映画と全く違うのです、大どん でん返し!! ・・・・さて、皆さん、映画と原作はどう違うか、とくと原作をお読みくだ さい。 図書館には置いてあると思います。 【映画のあらすじ】 石川喜一と妻の佐喜枝は夫婦共稼ぎの理髪店を経営していた。 そこへ佐喜枝の従弟の珠太郎が弟子入りして来た。珠太郎は純情な農村青年 であった。 喜一に召集令が来た。戦局は益々不利になり、物資も不足して来た。 若い妻と、その従弟はいつしかお互いをいつくしみ合うようになり、微妙な 気持で日々を送るようになった。 やがて珠太郎も徴兵検査を受け出征することになった。 彼を駅に送って帰って来ると喜一戦死の報が来ていた。 佐喜枝は実家に帰り、冷い兄嫁の仕打を受けつつ喜一と珠太郎の残した剃刀 とぎに投頭した。 戦争が終った。佐喜枝は東京へ出ると焼跡に出来た栗本の理髪店で働くこと になった。 珠太郎が復員して来た。珠太郎にとっても佐喜枝は忘れられない人であった。 二人は初めて結ばれた。 三年の月日が流れた。 バラックの理髪店を営む二人のもとに戦死した筈の喜一が帰って来た。 珠太郎は自責の念にかられて家出をした。 善良な喜一は二人を憎むことも出来なかった。 苦痛の日々が続いた。ある時、佐喜枝と珠太郎がしのび逢っている旅館に喜 一が現われた。左喜枝は自殺を図ったが喜一にはばまれた。 すべてを剃刀に集中して、他のことを忘れようとする佐喜枝の耳に、東北の しろがね温泉にいるという珠太郎の噂が入った。佐喜枝は矢も楯もたまらず、 雪の深いその温泉に出かけた。 珠太郎はその附近のダム工事の人夫をしながら、佐喜枝に瓜二つの芸者梅子 に傷心をいやしていた。 佐喜枝の姿を見た珠太郎は、愛と義理との板ばさみになり家を出て行った。 佐喜枝も彼の後を追い、吹雪の中に死んだ。 彼女の死体が発見された頃、別の場所で珠太郎もまた死体となって発見され た。(注、映画は、最後が原作と違います!) ◆監督 : 新藤兼人 ◆キャスト(役名) 乙羽信子(佐喜枝) 長門裕之(珠太郎) 宇野重吉(喜一) 乙羽信子(梅子)=二役 殿山泰司 源作)

◆なぜ『鉛温泉』という、不気味な名前なんだろう!

(女中さんの話と、小説「銀心中」から・・・その昔、今の鉛温泉の 奥に鉱山があり、銀(しろがね)や金が採れた。しかし、そうした高 価な鉱石が算出されるとなると租税が沢山掛けられることから、鉛し か採れないと申告して、税を多額に掛けられるのを免れていたのだと いう。)


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『鉛温泉 藤三旅館』の公式ホームページはこちら!


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