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おなじみ川上健一さんの書き下ろし青春小説。 これまでも、『ららのいた夏』、『宇宙のウィンブルドン』、 『雨鱒の川』といった青春小説を読んできましたけど、 今回の『翼はいつまでも』も、これまた、すさまじく良い!
なんなんだ、このオッサンは!?すごすぎる。
舞台は1960年代の青森県。 主人公の神山君は野球部に所属する中学生で 純情な思春期を送る、ちょっと内気な少年です。 そんな彼が、ある日ビートルズの音楽と出会うことにより 徐々に変貌を遂げていきます。
「自分らしく!」
ビートルズの"Please
Please
Me(お願い・お願い・わたし)"から こんなメッセージを感じ取った彼は、 友達との友情、大人たちとの葛藤、淡い片想いを経験しながら 「初めての恋」へとたどりつくのです。 そして、その恋で知ったことは、本当に純粋な 「相手への思いやり」と「自分の可能性を信じること」。
まさに理想の青春像そのものでした。
----- いつもは、ちょこっとずつ読み進めていく読書の時間なのに、 この本の後半部になると、途中でストップすることができなく なってしまいました。(おかげで寝不足です…。) とにかく、その「恋話」から目が離せなくて! 1960年代という時代のせいかもしれないし、 青森の田舎という土地柄のせいかもしれないんですが とにかく、物語の中を流れる空気が澄み切ってるんですわ。 太陽は輝き、雨はすべてを洗い流し、水は限りなく透明、 虫は飛び回り、木々がドーンとそびえたち、歌声は響きわたる。 そんな環境が目の前に広がっている中で描かれる 真っ直ぐな初恋に 悪いものがあろうはずがありません!
あぁ〜、思い出したらまた泣けてきた…。
友達との出会い、好きな人との出会い、音楽との出会い、 自然との出会い、すべての出会いが人生の糧になるんだなぁと 改めてそう思わせてくれた一冊でした。ありがとう。 |
posted on 2004.07.16 |
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