10月12日 曇り
上高地へ
始発電車で家を出て中央線の各駅停車を乗り継いで行くと、一番早いあずさよりも先に松本に9:18に到着する。甲府あたりはどんぐもりで南アの眺望は全滅だったが、甲信国境が天気の境目で、八ヶ岳の上空は完璧な青空だった。この電車に接続する上高地行きのバスは松本始発だが、電車が遅れたためにバスターミナルまで行く時間が少なくなってしまった。そこで松電に乗って新島々で乗り継ぐことにした。バスは結構混んでいたが、補助いすはなんとか使わずに済んだ。上高地が近づくにつれて雲が多くなってきた。
11:40 上高地発(高度計:1535m, 温度計:18.6℃)

今日は最低限でも横尾まで歩く。過去の経験から横尾までは休憩込みで2時間半ほどで歩けることがわかっているが、その先の槍沢の道は歩いたことがない。もしババ平まで行ければ翌日以降の行程が楽になるが、行けるだろうか。ネットでの情報から推察するにエアリアのコースタイムよりは速く歩けそうだが、不確定要素だし過信は禁物だ。
12:24 明神(1555m, 14.3℃)
13:07 徳沢(1595m, 14.7℃)
14:04 横尾(1645m, 14.3℃)


まだ日は高いので、先に進むことにする。ババ平まで行けなくとも、槍沢ロッジに泊まることもできるだろう。
横尾からも車の轍の続く歩きやすい道が続く。こりゃあ楽できそうだ、と思ったらすぐに轍は終わり、ちょっぴり凸凹した道になった。いきなりちょっと長めの下りが出現。ということは、帰りはここで絞られるということだ。
14:57 一の俣(1730m, 14.2℃)

15:38 槍沢ロッヂ(1840m, 12.1℃)

大したことない登りなのにペースが乱れてへろへろになってようやく小屋に着いた。小屋前からは槍沢を挟んだ対岸の横尾尾根の黄葉紅葉がすばらしく、まさに見ごろを向かえようとしていた。
結局横尾からは1時間半かからなかった。思ったより早い時間なので、さらにババ平まで前進することにする。小屋でテントの受付を済ませてから出発。受付の女性は「仮設トイレと水場は30分くらい登ったところにありますから」の一言だけでさっさと引っ込んでしまった。
今回の山行を計画するにあたって、槍沢ロッヂ - ババ平間のコースタイムが、エアリアマップはおろか、他のガイドブック類にもまったく載っていないのがネックだった。ようやくウェブで、ゆっくり歩いても30分程度という情報を見つけてそのタイムを当てにしていたのだが、この受付嬢の言でもそれは裏付けられた。
16:22 槍沢キャンプ場(ババ平)着(2005m, 11.6℃)


登り終えて道が平坦になってしばらくしてからババ平に到着。やはり30分だった。想像以上に狭いスペースに、すでに6張ほどのテントがあった。眺めのよいテント場で、進行方向正面に東鎌尾根の一面に色づいた岩壁が見えた。谷が、大曲でその名のとおりぐぐっと曲がっていくさまがよくわかる。谷の形も美しく、写真でしか見たことのないヨーロッパアルプスの氷河谷を連想させた。
ババ平の夜

夕食を食べ、19時過ぎには眠りについた。この日のテント数は、小屋跡だけでなく沢のそばに張った人もいて、全部で10張ほどだったようだ。