◯『狂歌萩古枝』〔江戸狂歌・第六巻〕浅草庵市人編・享和二年(1802)刊
(桑楊庵頭光七回忌(享和二年四月十二日)追善集)
〝月 俵屋宗理
花とちれ雪をしらけよ秋の夜はちからまかせの米のつき影〟
〈この宗理は北斎宗理であろうか、それとも北斎から宗理号を譲られた前名宗二の宗理であろうか。この狂歌が桑楊庵
光の七回忌の追善にあたってこの年に詠まれたのであれば、前名宗二の宗理ということになるのだが、この狂歌集に
は平秩東作のような故人のものも収録されているから、そうとも限るまい。北斎は北斎宗理名で狂歌を詠んでいるか
ら、この俵屋宗理を北斎と見ることはできると思う〉