◯『浮世絵の諸派』上下(原栄 弘学館書店 大正五年(1916)刊)
(国立国会図書館デジタルコレクション)
◇月岡派(下4/110コマ)
〝月岡雪鼎は元来狩野永敬の弟子の高田敬甫の門人で、法眼に叙せられた人あるが、後ち画風を変じて、
婉柔妖艶な邦俗の美人をかき、設色緻密に魚類戯画なども巧みであつたから、応挙も一時は彼の構図に
傚つて画いたといふ位である。
門人で風俗画をかいたものは桂宗信、蔀関月などであるが、特に『絵本太閤記』『唐土名所図会』の如
き近世板刻の密画をかいて一家風をなした岡田玉山を出し、又彼の大蘇芳年の如きは、雪鼎の子の雪斎
の養子である〟
西川-月岡派系図(『浮世絵の諸派』上 所収)