◯書画会画帖(会名・会主 題名不明)
この画帖の画像はベルギー在住の Mr.Guy Pepermans(ギ ペペレマンセ氏)から当館に寄せられたものです。
△参加絵師
町絵師 :麟振 洗斎 岨陵 嘯山 鶴川 抱山 三洲? 林斎 霞舫 蘭渓 他一名(落款不明)
浮世絵師:歌川豊国三代 国輝初代 貞年
△開催時期
この画帖には序・跋等が見あたらないので、開催時期については判然としないが、豊国の画いた七代目
市川団十郎の動向と館霞舫の死亡年から次のように類推した。
1天保十三年(1842)、七代目市川団十郎、生活豪奢の廉で江戸追放。嘉永二年(1849)末、赦免。
翌三年二月末、江戸帰還。(嘉永三年の二月末まで、団十郎は江戸不在)
2館霞舫、館柳湾の子、江戸の人。嘉永六年(1853)正月二十六日死去
以上の二点から、書画会の開催年月は嘉永三年三月頃~嘉永六年正月(1850-53)の間と推測した
△画像 ここでは歌川豊国三代・同国輝初代・同貞年、浮世絵師三人の作品のみ紹介(ギ ペペレマンセ氏提供)
歌川豊国三代画 「豊国酔中画」七代目市川団十郎「暫」鎌倉権五郎役
「アゝつがもなく鶯にしばらくも芝居して聞(く)春の野遊ひ 柏園」
歌川国輝初代画 「一雄斎国輝画」芸者?
歌川貞年画 「貞年大酔画」助六
〈嘉永三年三月、中村座二番目大切「助六廓の花見時」にて、団十郎が助六を演じている。但し、この貞年画がそれに取材したものか不明〉