☆ 明治十六年（1883）
◯『明治画家略伝』渡辺祥霞編 美術新報鴻盟社 明治十六年十一月版権免許
（国立国会図書館デジタルコレクション）
〝現今略伝 第四区 菱川宮川派ノ類
松木豊宣 歌川 人物 日本橋区吉川町二番地
平吉ト称ス〟
〈日本橋吉川町の松木平吉といえば、地本問屋松寿堂大黒屋平吉のことだが、果たして豊宣と名乗ったのだろう
か。明治17年4月、第二回内国絵画共進会が開催された。その時の『内国絵画共進会出品人略譜』には「歌川
金太郎豊宣ト号ス」とある。この当時、三世豊国の孫、歌川金太郎が豊宣を名乗っていたのである（上掲「浮
世絵師名一覧」歌川豊宣参照）松木豊宣と歌川豊宣の関係はよく分からない〉
☆ 明治十八年（1885）
◯『東京高名鑑』加藤新編 滝沢次郎吉出版 明治十八年十一月刊
（国立国会図書館デジタルコレクション）
〝生田芳春 早川松山 橋本周延 長谷川雪光 長谷川周春 蜂須賀国明 梅素薫 豊原国周
大村一蜻 大竹国房 恩田幹延 尾形月耕 落合芳幾 渡辺省亭 河鍋暁斎 金木年景
竹内国政 月岡芳年 永島孟斎 村井房種 歌川芳藤 歌川国松 歌川国久 野坂年晴
松本楓湖 松本豊宜 松本芳延 小林清親 小林永濯 安藤広近 安藤広重 安達吟光
新井年雪 荒川国周 柴田是真 鳥居清満 守川国重 鈴木華邨〟
〈こちらの松本豊宜は上掲松木豊宣の誤植と見た。この頃の版本の挿絵に香蝶豊宣の署名がある。この豊宣は歌
川金太郎の豊宣である。それを差し置いてなぜ松木豊宣なのかよく分からない（歌川豊宣参照）〉