☆ 安永九年(1780)
 ◯『噺本大系』巻十一「所収書目解題」(安永九年刊)
   北川春水画『大御世話』「北川春水画」神真人作 竹川治助板
 ◯『江戸小咄辞典』「所収書目解題」(安永九年刊)
   玉川春水画『大きに御世話』神真人作 竹川治助板
   〈ここで「玉川春水」と判読していた署名を、その二年後の上記『噺本大系』では「北川」と読んでいる。編者が同じ
    だから改めるに足る確信があったものと思われるのだが……。『噺本大系』にある挿絵を見てみると、「玉川」と認
    められるのであるがどうであろうか。因みに国文学研究資料館の「日本古典籍総合目録」は「玉川春水」としている〉
 ◯「国書データベース」(安永九年刊)
  ◇咄本 玉川春水画『大きに御世話』神真人作(注:楽牽頭の改竄本)〈明和九年序『楽牽頭』の画工は未詳〉
 
 ☆ 没後資料
 ◯『古代浮世絵買入必携』p9(酒井松之助編・明治二十六年(1893)刊)
  〝玉川春水 本名〔空欄〕  号〔空欄〕  師匠の名〔空欄〕  年代 凡七八十年前
   女絵髪の結ひ方 第八図・第九図 (国立国会図書館 近代デジタルライブラリー)
   絵の種類 長絵多し  備考〔空欄〕〟
 
 ◯『浮世絵備考』梅本塵山編 東陽堂 明治三十一年(1898)六月刊
  (国立国会図書館デジタルコレクション)(72/103コマ)
  〝玉川春水 石川哥山 寿◎斎東金 春暁斎政信 三木探斎【文政元~十二年 1818-1829】
   以上五人、其の伝詳ならず〟
 ◯『浮世絵師伝』p93(井上和雄著・昭和六年(1931)刊)
  〝春水 【生】  【歿】  【画系】  【作画期】安永
   玉川氏、安永年間の出版に係れる春章風の美人画、役者絵、武者絵等あり。安永九年版の『大きに御世
   話』と題する小咄本に挿画す、落款に「玉川春水画」とあり〟
 
 ◯「日本古典籍総合目録」(国文学研究資料館)
   作品数:2点
   画号他:玉川春水・春水
   分 類:咄本1・洒落本1
   成立年:安永9年(1点)
       天明1年(1点)
   〈安永九年(1780)刊は、咄本『大きに御世話』(神真人作・玉川春水画)。天明元年(1781)刊は、洒落本『無陀物語』
    (雲楽山人作・春水画)である〉